県道の日本最高地点とは 起終点からして絶対に「日本一」のはずが…複数存在?
国道の日本最高地点は標高2172mですが、県道ではどうでしょうか。日本一高い場所を起終点とする県道が複数存在するようです。どれが本当の「日本一」なのでしょうか。
日本一高い県道は4本ある?
国道の日本最高地点は、標高2172m。群馬と長野にまたがる国道292号の渋峠にあり、その場所には「日本国道最高地点」を示す石碑も立っています。では、県道の最高地点はどこでしょうか。
一般的なクルマが走れる車道としては、長野県道84号「乗鞍エコーライン」の標高2716m地点。ここには、路線バスを運行するアルピコ交通(長野県松本市)がその名も「標高2716m」というバス停を設けています。しかし、クルマが走れないところも含めると、もっと高い場所があるといいます。
それはなんと「富士山頂」。しかも、ここを起終点とする県道は4本存在し、それぞれ静岡県道152号富士公園太郎坊線と山梨県道701号富士上吉田線の起点、静岡県道150号足柄停車場富士公園線と同180号富士宮富士公園線の終点とされています。このうち、静岡県道152号と180号を管理する静岡県富士土木事務所に話を聞きました。
――富士山頂付近はクルマが走れないと思いますが、県道なのでしょうか?
はい。いずれの県道もふもとから途中まではクルマで乗り入れできますが、そこから先は徒歩でしか通行できない登山道です。富士山頂に通じる富士宮口、御殿場口、須走口、吉田口という4つの登山道それぞれが県道になっており、富士宮口登山道は静岡県道152号と180号の重複区間、御殿場口は静岡県道152号、須走口は静岡県道150号、吉田口は山梨県道701号です。なお、須走口と吉田口の登山道も頂上付近で合流し、静岡県道150号と山梨県道701号の重複区間になります。
――なぜ登山道が県道なのでしょうか?
経緯はわかりません。少なくとも静岡県道152号と180号については1960(昭和35)年から起終点が富士山頂とされています。登山道に県道であることを示す標識などはありませんが、登山用のロープを引いたり、冬季閉鎖の看板を設置したりする維持管理作業は、県道の管理者であるわたしたちが行っています。
「登山道頂上の鳥居付近」から「『富士山頂上浅間大社奥宮』の標柱が立つところ」の区間は、静岡県道150号とは重複しない独立した山梨県道701号、というわけではないのだろうか。
「お鉢」を周回する県道は無いのかw