渋滞は追越車線から始まる? 「左車線ご利用を」と促す渋滞対策、東北道で実験

東北道の佐野藤岡IC〜館林IC間上り線で、LED表示板を用いた「走行車線の利用促進による渋滞対策実験」が行われます。追越車線から渋滞が発生するのを予防できるといいますが、どのようなメカニズムなのでしょうか?

3車線のうち1車線に50%のクルマが集中

 NEXCO東日本関東支社が2017年10月8日(日)から11月にかけての特定日に、東北道の佐野藤岡IC〜館林IC間上りで「走行車線の利用促進による渋滞対策実験」を行います。

 渋滞の予防と緩和を目的としたものだといいますが、そもそもなぜ走行車線を走ることが渋滞予防につながるのでしょうか。NEXCO東日本の「渋滞予報士」外山敬祐さんに話を聞きました。

Large 171005 keepleft 01
追越車線ばかりにクルマが集中し、車間が詰まることがある。写真はイメージ(画像:写真AC)。

——どのような実験なのでしょうか?

 佐野藤岡IC付近から約6kmにわたり、路肩側に6基、中央分離帯側に6セット(1セットにつき2基)のLED表示器を交互に配置し、路肩側では「渋滞予防のため」「左車線キープ」、中央分離帯側では「左車線」「ご利用を」と表示するものです。特に佐野藤岡ICから本線に流入してきた車両に、しばらく走行車線にとどまっていただくよう促します。

——なぜこの方法になったのでしょうか?

 この区間は片側3車線のうち、いちばん右にある追越車線の利用率が約50%と大きく偏っているためです。渋滞発生の主原因は、サグ(下り坂から上り坂へ変わる部分)などの道路構造に起因しますが、車線が均等に使われないことも、発生を早める要因になります。当社関東支社管内で、このように車線利用率の偏りが著しい箇所を選定し、今回の実験を行うこととなりました。なお、すでに2017年8月の10日間にわたり、関越道の東松山IC〜嵐山小川IC間下りで同様の実験を行っています。

この記事の画像をもっと見る(5枚)

最新記事

コメント

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。

6件のコメント

  1. 高速道路に限らず3車線ある道路だと、一番左側の車線が一番空いてるよね。
    何故か一番混んでアクセルのオンオフが激しいのが追い越し車線(笑)

    一般道だと、駐停車の車や左折で停止する車なんかがいるから、一番左側は走りたくないけど、高速では燃費が気になって、一番左車線キープで90km/h程度の一定速度で走ってるなあ(^^;)

  2. 佐野藤岡ICの場合は、アウトレット帰りの合流の車が多いということで、追い越し車線の方が流れると皆が思って逆に追い越し車線が混むパターンですが、他のインターでも良くありますね。お金と土地があれば、関越道の渋川伊香保ICや上里SA、東名の海老名SAのように合流車線を長く伸ばすことが望ましいのでしょうけれど。

  3. 佐野藤岡ICの場合は、アウトレット帰りの合流の車が多いということで、追い越し車線の方が流れると皆が思って逆に追い越し車線が混むパターンですが、他のインターでも良くありますね。お金と土地があれば、関越道の渋川伊香保ICや上里SA、東名の海老名SAのように合流車線を長く伸ばすことが望ましいのでしょうけれど。

  4. 追越車線と走行車線が逆転してる(笑)。

    高速道路で停車させられて追突された事故でも、加害者/被害者/とばっちりトラックの三車とも、ホントに追越車線にいる必要あったのか?

    アウトバーン(ドイツ)では、追越車線の150km/h車でも、後方から近付く車両があればサッと走行車線に避けるのだそう。自車と相手の双方の安全の為に。日本では、前走車を追い越す為に追越車線から走行車線に車線変更するクルマも多い。譲らないor後方見てないから。クルマの歴史と文化の差かなぁ。

  5. 高速道路で停車させられて追突された事故でも、加害者/被害者/とばっちりトラックの三車とも、ホントに追越車線にいる必要あったのか?

    アウトバーン(ドイツ)では、追越車線の150km/h車でも、後方から近付く車両があればサッと走行車線に避けるのだそう。自車と相手の双方の安全の為に。日本では、前走車を追い越す為に追越車線から走行車線に車線変更するクルマも多い。譲らないor後方見てないから。クルマの歴史と文化の差かなぁ。

    • なんにしても、左側の走行車線への誘導は、ぜひ全線で進めて欲しい。渋滞対策の名目でいいので、安全の為にも。現状のマナーのまま一部路線のmax120km/hとか、ちょっと危ないかも。