地下鉄火災で発生!? 心肺停止の人も… どうすればいいのか?(写真16枚)
もし地下鉄で火災が発生したら、どうしたらよいのでしょうか。その状況を想定し、東京メトロが訓練を行いました。
韓国では実際に起こった「地下鉄火災」 そのとき、どうすれば…
2017年11月14日(火)、東京メトロの「異常時総合想定訓練」が、東京都江東区の同社総合研修訓練センターで行われました。
総合研修訓練センターには、本物同様の駅やホーム、トンネルなどが備わった約700mの訓練線があり、今回はここで、列車火災を想定した避難誘導や消火活動などの訓練が行われました。列車が半蔵門線 清澄白河~水天宮前間を走行中、先頭車両の台車から火災が発生したという設定です。
「2003(平成15)年、韓国のテグ市で大規模な地下鉄火災があり、これを受けて日本でも防災管理のあり方が見直されました。小規模な発煙や発火でも、重大な事故につながりかねません」(東京メトロ 鉄道本部長 野焼計史さん)
地下鉄火災、実際に起こった場合、どのようにすればよいのでしょうか。
訓練ではまず、乗客が火元の車両から隣の車両に避難したあと、運転士が消火器で初期消火にあたりました。続いて運転士は、発炎筒を振り回し「とまれー! とまれー!」と叫びながら線路を疾走。これは「列車防護」と呼ばれる措置で、周囲に異常を知らせ、ほかの列車の運行を止めて安全を確保します。
その後、列車後部正面の扉(貫通扉)に階段が取り付けられ、車掌の誘導で約140人の乗客が線路を歩いて駅まで避難しました。しかし、なかには重傷者や障害者、心肺停止(という設定)の乗客も。そのような乗客は、列車の外で心肺蘇生など必要な措置が行われたうえで、トロッコ風の「救護用搬送台」で運ばれていきました。
「乗務員の指示があるまで列車の外に出ないでください」――乗客が避難する前、車内ではそのようなアナウンスが、乗務員から、また自動放送で繰り返し発せられました。東京メトロ 安全技術部の町田武士課長は「実際の火災においても、安全を確保してから避難誘導を行います。乗務員の指示に従い、冷静に行動してください」と話します。
コメント