地下鉄火災で発生!? 心肺停止の人も… どうすればいいのか?(写真16枚)

「煙を逃がす」ための放水とは?

 乗客の避難が終わると、消防隊による消火活動が始まりました。

 今回はトンネルの入口から、煙が充満するトンネル内へ「噴霧放水」が行われました。これは、必ずしも火を消すための放水ではありません。霧によって空気の流れをつくり、トンネル外に煙を排出するためだといいます。実際、放水の横を通るように煙がトンネルの外へ流れ、次第に内部が見えるようになっていきました。

 火の手が消えたトンネル内では、運転再開に向けて技術部員たちが設備を点検しました。事故列車は、火元となった車軸が破損し動けなくなった想定。そこで、車両がジャッキで10mm程度持ち上げられ、「搬送トロ」と呼ばれる補助器具に車輪が載せられました。この応急処置により、15km/hほどのスピードで走行が可能になるそうです。これで、2時間ほどの訓練が終了しました。

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「列車防護」のため、発炎筒を持った運転士。
列車後端の貫通扉から線路へ階段が渡され、乗客が避難。
自力で動けない人は、救護用搬送台で運ばれる。

 なお、2016年に開設された総合研修訓練センターでの火災対応訓練は、今回が初めて。「営業路線では難しい、煙を焚いたり、放水したりする訓練も、このセンターだからこそ可能になった」(町田課長)のだそうです。

 ちなみに、地上を走る私鉄などからの乗り入れ車両を含め、地下鉄を走る車両には基本的に、車両の前後両端に外部へ通じる貫通扉が付いています(トンネルが広い路線などではこの限りではない)。火災時の避難経路を確保するためです。

【了】

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