海自国産飛行艇US-1Aとは? 全機が退役 そのDNAは後継へ、そして世界へ

DNAは次世代へ、そして世界へ

 PS-1改は「US-1」として、1976(昭和51)年に海上自衛隊へ配備されました。またさらにUS-1を原型とし、新しいエンジンを搭載したUS-1Aへと発展します。

 PS-1の生産数は23機、US-1およびUS-1Aは20機が生産されたほか、US-1Aを原型にさらに改良を加えた「US-1A改」が開発されており、2007(平成19)年からUS-2の名称で現在なお調達が進んでいます。

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中国製飛行艇AG-600。新明和によって発明された溝型波消装置を採用している(関 賢太郎撮影)。

 US-2はインドへの輸出が決まっており、PS-1の系譜は海外へと進出しようとしています。またPS-1で実用化された溝型波消装置の技術は中国もこれを取り入れて独自の飛行艇を開発しており、AG-600の胴体部はPS-1やUS-1、US-2と非常によく似ています。これはコピーというよりも新明和の溝型波消装置の有効性がそれだけ高く評価され参考にされたと見なすべきでしょう。

 US-1Aは全機退役してしまいましたが、US-2または海外で誕生した兄弟機を通じて、その設計思想は今後も生き続けることでしょう。

【了】

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コメント

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3件のコメント

  1. PS-1は23機生産US-1は20機生産されています。PS-1は岩国を中心に配備、80年代に退役しています。ちなみに生産、運用停止理由は飛行艇特有の整備の手間とP-3C搭載のコンピュータシステムの高度化が原因と言われています。また、救難飛行艇は基本的に岩国基地に配備されていますが(定数7機、ただし現状定数割れ)、厚木基地にも1機が常時展開し、東日本エリアの航空救難に備えています

  2. 5月5日の岩国基地フレンドシップディーで 雄姿を観ました。

    • 確か鹿屋で二式大艇と並んで展示中のはず。え?二式大艇は船の科学館前のはずだって?大分前に移動済みですよ。ついでに船の科学館自体閉館中(宗谷は展示中)です。