中国軍「戦闘機」、なぜ日本海へ? 対馬海峡通過、戦闘機は初 その意図や目的とは

5機はなにをしに来たのか?

 中国軍機がいかなる目的で対馬海峡を通過したのかは不明ですが、機種編成および防衛省が公開した飛行ルートから察するに、恐らくはH-6K爆撃機を中心とした日本海における対艦攻撃、または本州日本海沿岸地域ないし北海道に対する巡航ミサイル攻撃を想定した訓練であった可能性があります。

 そしてそれが正しいとするならば、今回はじめて日本海へと進出したSu-30戦闘機はH-6K爆撃機の護衛機としての訓練を行っていたと思われます。なお、防衛省が公開した写真(スクランブル発進した戦闘機のパイロットが市販のデジカメで撮影する)では非武装でした。ただしこの写真が18日に撮影されたものであるかは不明です。

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中国軍のH-6K重爆撃機(画像:統合幕僚監部)。

 Su-30は、ロシアのスホーイ社によって開発された長距離戦闘機です。広大なロシアを守るために極めて長い航続距離が求められ、機内燃料搭載量は実に10トン。これは航空自衛隊主力戦闘機であるF-15の機内燃料タンク約6トンに、投下型増槽約1.7トンを主翼下に2本懸架してほぼ同等という、膨大な数字です。しかもSu-30は、原型機であるSu-27には存在しなかった空中給油装置が追加されており、徹底した長距離進出能力が大きな特徴となっています。

 Su-30の公称スペックにおける戦闘行動半径は、空中給油抜き空対空ミサイル装備において1500kmです。今回Su-30がどの基地から発進したのかはわかりませんが、中国本土から日本海までは最短距離でも1000kmはありますから、まさに長距離戦闘機としての性能を発揮した飛行であったことがわかります。ひょっとすると東シナ海で一度ないし二度の空中給油を行ったかもしれません。

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コメント

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1件のコメント

  1. テーマからは外れるのは承知の上で、大事な事をひとつ。
    今回の記事でも明らかなように、中国の電子戦偵察機は、能力はとにかく数だけでも日本と比較して極めて多い。逆に日本の電子戦偵察機は泣きたいほど少ないし、電子戦攻撃機はもっと少ない、というよりもない。
    正直、日本は対地上巡航ミサイルよりも攻撃的電子戦システムの開発、運用や本格的電子戦偵察機の多数整備が最優先のはず。