中国軍「戦闘機」、なぜ日本海へ? 対馬海峡通過、戦闘機は初 その意図や目的とは
一方でわかりやすすぎる電子情報収集機の目的
最後に1機のみ追随したTu-154電子情報収集機ですが、これはその名の通りレーダーや通信といった各種電波を逆探知し、それを記録するための偵察機です。
Tu-154だけはその役割がはっきりしています。H-6KとSu-30の「戦爆連合」対馬海峡通過に際し、航空自衛隊および韓国空軍の戦闘機やレーダーサイトがどのような対応をとったのか、その電波情報を収集・解析し、今後の作戦立案にフィードバックする目的であったと思われます。
ここ数年、中国機に対するスクランブル発進回数が激増しており、昨年度は史上最多となる年間1168回を記録しました。今後もこうした中国軍機の飛行はさらに増加する可能性があり、いずれ日本海への中国軍戦闘機到達も珍しくなくなるかもしれません。
航空自衛隊では24時間当直勤務でスクランブル対応する隊員らの負担や、有限である戦闘機の寿命(飛行時間で計測される)が大きな課題となっています。
【了】
テーマからは外れるのは承知の上で、大事な事をひとつ。
今回の記事でも明らかなように、中国の電子戦偵察機は、能力はとにかく数だけでも日本と比較して極めて多い。逆に日本の電子戦偵察機は泣きたいほど少ないし、電子戦攻撃機はもっと少ない、というよりもない。
正直、日本は対地上巡航ミサイルよりも攻撃的電子戦システムの開発、運用や本格的電子戦偵察機の多数整備が最優先のはず。