外環道「東名~湾岸」ルートどうなる? 東京側と川崎側それぞれのメリット

整備効果は同等も、東京側は条件が厳しい?

――それぞれのルートには、どのようなメリットがあるのでしょうか?

 距離としては東京側ルートのほうが短くなります。ただ、工事に支障する物件や埋蔵文化財、史跡などは川崎側のほうが少ないです。

――途中にはICが設けられるのでしょうか?

 第三京浜から湾岸線に至るおよそ10kmのあいだに、中間のICを設けることを検討しています。

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第三京浜との接続地点の概要(画像:国土交通省関東地方整備局)。
第三京浜と湾岸線とのあいだに設置が検討されている中間ICの概要(画像:国土交通省関東地方整備局)。

※ ※ ※

 関東地方整備局の資料によると、たとえば羽田空港国内線ターミナル~中央道調布IC間の所要時間は、東京側接続、川崎側接続の場合ともに、現状の首都高C2中央環状線経由の約50分から約4割短縮の約30分(いずれも混雑時の所要時間)とされており、羽田空港へのアクセスにもたらす時短効果は、どちらのルートでもさほど変わらないようです。さらに、上記の中間ICを東京都大田区付近に設けた場合、川崎市付近に設けた場合とで比較した場合、IC利用交通量はいずれも2~3万台であり、この点でも大きな差はないとされています。

 しかし、第三京浜や、首都高1号羽田線、K1横羽線との接続については、東京側ルート、川崎側ルートとで条件面なども異なってくるようです。まず、第三京浜との接続点は、東京側ルートの場合は玉川IC付近、川崎側ルートは玉川料金所付近とされていますが、玉川IC付近では古墳や埋蔵文化財が周辺に点在するなど、支障物件数が数百件程度に上ると見られています。1号羽田線と接続する昭和島JCT付近についても、「大規模な土地の改変が必要」とされています。

 一方の川崎側ルートは、玉川料金所付近、大師JCTともに、「川崎縦貫道路」計画との一本化が図られるとされています。この川崎縦貫道路とは川崎浮島JCTから東名高速まで、川崎市の南北を結ぶ計画の幹線道路を指し、I期区間として先述の首都高K6川崎線と、その高架下を通る一般部の国道409号が完成しています。大師JCT付近では、川崎縦貫道路のための空間を活用することも可能だそうです。

 なお、関東地方整備局によると「東名~湾岸」区間のルート決定や開通時期などについては未定としています。

【了】

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コメント

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6件のコメント

  1. 大師はすっかり“そのつもり”で造ってあるが・・・。

  2. 一日でも早く東名~湾岸線を整備してほしいです。第三京浜の北見方付近で接続するのが良いと思います。大師~昭和島はこの話とは別にもう1車線増やしてほしいです。
    等々力渓谷付近は無理でしょう・・

  3. どっちでもいいので、早く通せる方でお願いします。

  4. 早く安く通せればどちらでもいいですけど、これを見るに神奈川県側のほうがよさそうですね。

  5. 絶対川崎側、アクアラインに接続でしょう。。
    ただえさえ東海JCT付近は混雑するんですから。。

  6. 早期に完成させたいのであれば川崎線接続でいいでしょうけれど、
    川崎戦では容量不足、浮島JCTへの集中で渋滞は必須でしょうから、昭和島方面へ分岐する準備工事はしておくべき。