東海道・山陽新幹線に「次世代コムトラック」導入 「遅れ拡大」防げるその性能とは?

現在のシステムは「後続の遅れ」考慮せず

 ただし、現在のコムトラックはダイヤが乱れた場合、1本の列車の遅れが後続の列車にも拡大しやすいという問題を抱えています。

 たとえば、所定の時刻より遅れている上り列車1本が終点のターミナル駅に近づいている状態で、ターミナル駅では下り列車2本が出発を待っている状態だとします。コムトラックは、遅れている上り列車をターミナル駅に早く到着させることを優先してポイント操作を行います。その際、上り列車が上り線だけでなく下り線もふさぐ場合があり、出発を待つ下り列車2本は発車できなくなります。

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現在のコムトラックは後続列車の遅れを考慮せずにポイント操作を行っている(画像:JR東海)。

 つまり、道路を走る自動車が混雑して動けなくなる「渋滞」と同じような現象が発生してしまい、上り列車だけでなく後続の下り列車にも遅れが拡大してしまうのです。下り列車の乗客にしてみれば、「自分の列車には何のトラブルも発生していないのに、遅れるなんて……」と思いたくなるかもしれません。

 JR東海は「実態としては(コムトラックを管理する)指令員が列車の順序を修正し、遅延の拡大を防止しています」と話しますが、これは手動で行う作業が増えてしまうという問題があります。そのため、新しいコムトラックでは指令員の考え方を取り入れ、後続列車の遅れも考慮した仕組みを導入することにしたといいます。

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新しいコムトラックは後続列車への遅れの波及を抑える仕組みにする(画像:JR東海)。

 たとえば、ターミナル駅に入ろうとしている上り列車が遅れている場合、新しいコムトラックは下り列車の出発を優先させてポイントの操作を行います。上り列車はターミナル駅に入る時刻が所定より遅れてしまいますが、下り列車は所定の時刻で発車させることができます。遅れ自体は防げなくても、全体として遅れの拡大を最小限に抑えることができるようになるわけです。

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コメント

3件のコメント

  1. 「次世代コムトラック」導入は東海道・山陽新幹線だけ?
    在来線にも早期に導入してほしいと思う。
    単線の路線で駅で行き違い待ちがあるとき、自分が乗っている列車は遅れていなくても、行き違ってくる列車が遅れていると到着待ちで遅れてしまう。
    行き違いをさせる駅は遅延が起きても通常運行時から変更しないのだろうけど、行き違い列車が遅れてきた時間を考えたら、待たずに次の行き違い可能な駅まで進むことができたのに(運行間隔を考えても列車が駅で詰まることは無い)と思うことがある。

  2. 九州列車カレンダー2018が届きました。
    大切にします。
    ありがとうございました。

  3. 遅れ拡大防止だけなら、優先関係を変えるだけみたいだから、ソフトウェアの修正だけで済みそうなものだけど・・。余程、古いコンピューターシステム使ってるのでは?
    ・・で、ハードウェアごと最新の分散システムに替えるのはいいけど、分散システムだとネットワークで接続されるから、どこかにインターネット回線が入ると外部から侵入されて制御を奪われる危険性も出てくる。そんなリスクが無いようなシステムにしたいですね。
    さらに高空での核爆発のノイズで電子機器が全滅する可能性もある。最新のトレンドに合わせることが、必ずしも安全・安定に繋がらないのが現在のハイテク技術。余分な設備費用がかかるとしても、しっかりと防御を固めてください。
    またソフトウェアの大規模な交換はリスクも伴います。小さなバグでも波及することがありますからテストは入念に。