金銀「GT-R」のヒミツ 制作者・井澤孝彦さんに聞くその技術、制作背景、反響

カスタムカー界隈では広く知られる、黄金色と白銀色に輝く日産「GT-R」。その制作者である井澤孝彦さんに、制作背景や技術のこと、反響など話を聞きました。実際のところ、どのように制作しているのでしょうか。

お値段、5900万円!

——金銀の「GT-R」は世界の富豪からも購入希望が殺到しているとうかがいましたが……?

 銀色「GT-R」を「SEMAショウ」に出展したとき(2015年11月)、ニュースか何かで見たのでしょう。マイケル・ジャクソンの息子さんがわざわざ会場まで来て「この『GT-R』が欲しい!」って(笑) 金色「GT-R」の方は中東の大富豪に人気があるようです。私はこれらのクルマを世界へのアピールとして作ったので、販売に関してはもうしばらく様子を見たいと思っています。

 現在、金色「GT-R」はドバイにある日産ディーラーに飾ってあります。当初設定した価格は金色が5900万円、銀色が3900万円です。2000万円の違いは、金色「GT-R」の方が圧倒的に時間も手間も費用もかかるからなんです。エングレイビングの量もまったく違って金色のほうが多いですし、塗装もまず銀色の状態にしてから金色の塗装を施していきます。手間や時間は倍近くかかります。

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「東京オートサロン2018」に出展された「GT-R」(2018年1月、加藤博人撮影)。

——今年(2018年)の「東京オートサロン」ではまたまたすごいカスタム「GT-R」が出展されていましたね。展示車両には「これはプリントではなく塗装です」ということも書いてありました。

 そうですね。昨今のカスタムカーにおいては、ボディ装飾ではラッピング(印刷されたシートを車のボディに貼る手軽なボディカスタム)が主流ですから、私が手掛けたクルマに対しても、「これはプリントでしょ?」と何度も聞かれます(苦笑)。青い「GT-R」に入った白いラインも含めすべて塗装です。

 ラインで魅せるカスタムカーの構想はずっとあって、どのようにラインを引いていくかなどは、ずいぶんと時間をかけて考えました。最初に1本、ボディのプレスラインを基準としたラインを決めます。それまではほかのラインをどうするか、次はどこのラインを引くか、などは一切考えません。長さを測ったり下描きしたりすることはなく、最初のラインをベースにほかのラインも決めていきます。最も美しく仕上がるよう時間をかけてデザインを考え、ラインどうしの間隔や長さも感覚で決めていきます。ちなみにこの「GT-R」は2008(平成20)年型「GT-R」がベースでKUHLRACING新作のフルエアロキットを装着し、エンジンは1000馬力超にチューニングされています。外側もすごいですけど、中身もすごいんですよ(笑)。

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