ビジネスジェット、軍用で需要拡大か 進化した最新機、用途は要人輸送のみならず

裏方から最前線へ 軍用機としてさらに活用されるワケ

 これまで述べてきたように軍用ビジネスジェット機は、輸送や捜索救難、訓練支援といった、どちらかと言えば裏方の役目を果たしてきました。

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ボンバルディア「グローバル6000」をベースに開発された、英空軍の戦場監視機「センチネルR.1」。
ボンバルディア「グローバル6000」をベースにサーブが開発した洋上哨戒機「スウォードフィッシュMPA」の模型。
ボンバルディア「グローバル6000」をベースにサーブが開発した洋上哨戒/早期警戒管制機「グローバルアイ」(画像:サーブ)。

 しかし近年では洋上をパトロールして、水上艦艇や潜水艦などを捜索する洋上哨戒機、哨戒機や大型のレーダーを搭載して敵の航空機やミサイルなどを探知し、戦闘機などにどう対処するかを指示する早期警戒管制機、搭載したレーダーで地上の敵味方の状況を監視して、地上部隊に指示を送る戦場監視機といった最前線に立つ航空機のなかにも、ビジネスジェット機をベースとしたものが現れています。またスウェーデンのサーブ社が、カナダのボンバルディア社のビジネスジェット機をベースに開発した「グローバルアイ」のように、洋上哨戒機と早期警戒管制機の能力を兼ね備えた航空機も登場しています。

 これまでこうした航空機は、ビジネスジェット機よりも大きな旅客機をベースとすることが多かったのですが、ビジネスジェット機の性能の向上と、搭載するレーダーなどの電子機器の小型化により、旅客機に比べて取得費も運用費も安い、ビジネスジェット機をベースとする事例が増えています。

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シンガポール空軍の早期警戒管制機G550 CAEW(竹内 修撮影)。

 シンガポール空軍は航空自衛隊も運用している早期警戒機E-2Cの後継機として、大型ビジネスジェット機のガルフストリーム G550をベースに開発された早期警戒管制機、「G550 CAEW」を導入しています。2018年2月に開催されたシンガポールエアショーで、G550 CAEWのクルーの方にお話をうかがったところ、「レーダーによる探知能力はE-2Cと遜色が無いし、軍用輸送機をベースに開発されたE-2Cと違って、トイレが標準装備されている点も素晴らしい」と述べていました。

 流石にビジネスジェット機をベースとする戦闘機や爆撃機が登場することは無いでしょうが、今後も軍のビジネスジェット機の活用は、拡大していくものと思われます。

【了】

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