渋谷駅の埼京線ホームはなぜあんなに離れているのか 移転と転用、繰り返した歴史

戦前の移転も利便性向上のためだった

――なぜ移転したのでしょうか?

 初代渋谷駅は街道(大山街道)から外れた、さびしい場所にありました(編集部注:現在の宮益坂上からハチ公口前を経て道玄坂上にかけての道が、かつての大山街道)。

 明治末期から大正時代にかけて、道玄坂などが発展するとともに、現在の渋谷駅の位置に玉川電気鉄道(のちの東急玉川線)や東京市電(のちの都電)といった大山街道を走る路面電車の路線が渋谷へ延びてくると、離れた位置にある山手線との乗り換えが不便になりました。そのため1920(大正9)年、山手線が一部高架化されて大山街道と立体交差したうえで、駅も現在地に移転したのです。

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1919(大正8)年の渋谷駅周辺。初代渋谷駅は大山街道から離れた位置にあった(時系列地形図閲覧ソフト「今昔マップ3」〔(C)谷 謙二〕にて作成)。

※ ※ ※

 大正時代の地図を見ると、初代渋谷駅は大山街道から離れた位置にあるほか、現在の国道246号はまだ影も形もないことがわかります。

 ちなみに、2018年5月、6月に行われる線路切り替え工事では、大山街道をまたぐ宮益架道橋の架け替えなども実施されます。渋谷駅改良工事は2020年までに完了する予定です。

【了】

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コメント

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1件のコメント

  1. 埼京線ホームが移転したら、同ホーム上の新南口に隣接したホテルメッツどうすんだろ。
    駅を降りて徒歩1分が売りなのに、駅が移転したら一気に遠くなるぞ。