玉突き事故、責任の所在は 追突の連鎖、過失割合はどうなる
前のクルマの急ブレーキが追突の原因に この場合は?
――A、B、Cの順で並んでいるとして、Bが急ブレーキをかけたことで後続のAが追突し、それによってBがCへ追突する「玉突き事故」の場合はどうなるのでしょうか?
Bの急ブレーキに理由がない場合は、AとBのあいだで責任割合が発生します。Cに対し、AとBがその責任割合に応じ共同して賠償することになります。
――たとえば渋滞中に前車が少し動いているような状況で、過失の割合は変わってくるのでしょうか?
通常、追突事故の場合は追突したドライバーが賠償責任を負います。よって、渋滞中に少し動いたり、停止したりをくり返していても、前車のドライバーに責任は生じません。ただし、前車が理由なく急ブレーキをかけた場合などは、前車にも追突した後続車に対する賠償責任が発生します。
――実際の保険金の支払いなどは、どのように処理されるのでしょうか?
相手のクルマを修理する保険は、加害者が加入している自動車保険の対物保険です。実務においては、当事者から事故状況をヒアリングし、それをもとに、事故車両の損害写真を確認し、「玉突き事故」か「順次追突」かを判断します。前者であれば、最後尾車両の対物保険で対応します。後者の場合は、最後尾と真ん中の車両の責任割合を決めて賠償する必要があるため、それぞれの対物保険で対応することが一般的です。
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警察庁の資料によると、2017年に発生した車両どうしの交通事故のなかでも、最も多いのが追突事故で、およそ4割を占めています。そのうちおよそ9割が、「進行中」以外、つまり停車中の車に後続車が追突してくるケースだそうです。「玉突き事故」や「順次追突」に発展するケースは、少なくないのかもしれません。
このような事故に遭遇した場合、どのように対応すればよいのでしょうか。損保ジャパン日本興亜は、「自動車保険にご加入されている場合は、事故発生現場で相手方から『すべて賠償してほしい』と言われても、必ず『保険会社と相談したうえで、のちほど連絡します』と答え、その場での約束は避けましょう」と話します。
【了】
父親は高速で玉突き事故を避けようと
急ブレーキを踏んでスピンして事故
警察に「自損事故」と言われて
「なら玉突きに突っ込んだら過失相殺で保険が下りるから
特だし!」