複雑な料金体系なぜ? 中央道の高井戸~八王子 統一できない理由とは
首都高への乗り入れで料金はさらに複雑化
料金体系をさらに分かりづらくしているのが、中央道と首都高速などを相互利用した場合の措置です。
首都高、外環を通過するとETC優遇がなくなる
当面のあいだの措置として、高井戸IC~八王子IC間の料金はETC車限定で980円から620円に抑えられています。この優遇措置は中央道の同区間と首都高または外環道を行き来する場合にも有効ですが、首都高、外環道を通過して東北道や常磐道など、ほかの高速道路へ乗り継いだ場合は優遇措置がなくなります。
たとえば、中央道八王子ICから高井戸ICを通過して首都高で下りた場合と、首都高からさらに常磐道まで利用した場合を比べると、次のようになります。
・首都高で下りた場合:
八王子IC~高井戸IC(中央道620円)~首都高永福料金所~八潮IC(首都高1300円)で合計1920円
・常磐道で下りた場合:
八王子IC~高井戸IC(中央道980円)~首都高永福料金所~三郷本線料金所(首都高1300円)~桜土浦IC(常磐道1350円)で合計3630円
都心で降りるか通過するかで中央道側の料金が変わるのですが、これも国交省の方針によるもので、中央道方面と東北道などを行き来する際に圏央道(八王子JCT経由)をより賢く使う料金体系の一環といいます。
新料金以前はETC車も均一料金だった
わかりづらい料金体系の一因は、非ETC車だけが均一料金制となっていることです。2016年4月の新料金導入を機に、ETC車と非ETC車がともに対距離料金制に移行すれば、現在ほど複雑な料金体系にならずに済んだかも知れません。なぜ、現実にはこのような状態なのでしょうか。
実は、新料金導入以前の高井戸IC~八王子IC間の料金はETCの有無に関わらず一律620円でした(八王子ICから西側は現在と同じ対距離料金制)。たとえば、調布ICから八王子ICを通過して上野原ICを利用する場合は次のようになります。
・ETC車、非ETC車ともに:
調布IC(620円)~八王子IC~上野原IC(810円)で合計1430円
どうやら、新料金の導入以前から高井戸IC~八王子IC間だけ別建ての料金となっていたことに、おおもとの問題があるようです。
こんな料金体系の有料道路なんか全国にいくらでもある。関東の小ネタばっかりだな。
首都高速道路はいっそのことETC専用にしてもいい気もする