複雑な料金体系なぜ? 中央道の高井戸~八王子 統一できない理由とは

開通当時から立地条件に制約が

 NEXCO中日本八王子支社の話によると、同区間の均一料金制の始まりは1979(昭和54)年。中央道はもともと、調布IC~八王子IC間の開通当初は対距離料金制だったのですが、高井戸IC~調布IC間が開通して八王子ICまでつながったのを機に、均一料金制へと移行したといいます。

 NEXCO中日本八王子支社の担当者は、均一料金制の背景について次のように話します。
「高井戸IC~八王子IC間は大都市周辺の住宅密集地域で、料金所の設置に構造上の制約がありました。大量の交通量を処理して料金所渋滞を回避しつつ、周辺環境に対しても配慮を要するため、設置する料金所を最小限にする必要があったのです」(NEXCO中日本八王子支社)

 道路の周りは住宅街。それぞれの出口に料金所を設置するのは現実的に難しく、また料金所などで渋滞が発生すれば近隣に大気汚染などの影響を及ぼす恐れもあります。そこで出口料金所をなくし、入口で一律料金を収受する形にしたのです。

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対距離制となっている現在の中央道高井戸IC~八王子IC間のETC料金。非ETC車は一律980円となる(画像:NEXCO中日本)。

 そうした経緯が、現在の料金体系にも影を落としています。NEXCO中日本八王子支社が話すとおり、近隣の住宅地に配慮して均一料金制を導入した経緯から、高井戸IC~八王子IC間の各出口には料金所がありません。
 
「ご利用の約9割を占めるETC車のお客様については対距離料金制に移行しておりますが、非ETC車についてはどの出口を利用したのかが判明しないため、均一料金制とさせていただいております」(NEXCO中日本八王子支社)

 出口料金所を設置できないという制約を抱えたまま2016年4月からの新料金に対応した結果、無線通信で支払いができるETC車は対距離料金制に移行できましたが、出口料金所を必要とする非ETC車は均一料金とせざるを得なかったというのが実情のようです。
 
 さらに、ETC車だけに金額面での優遇があったり、都心を通過するETC車には優遇を与えないといったルールが重なったために、高井戸IC~八王子IC間の料金がわかりにくい状態になってしまっていると考えられるのです。

【了】

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コメント

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2件のコメント

  1. こんな料金体系の有料道路なんか全国にいくらでもある。関東の小ネタばっかりだな。

  2. 首都高速道路はいっそのことETC専用にしてもいい気もする