地上から天空へ 熊本駅「全面高架化」の切替作業に密着(写真59枚)

線路を高架化して踏切をなくし、道路の混雑を緩和する「連続立体交差事業」(連立事業)が各地で行われています。鹿児島本線と豊肥本線が乗り入れている熊本駅でも、連立事業による高架化が完成。線路を高架に切り替える工事の様子を密着取材しました。

道路混雑の緩和を目指すプロジェクト

 鹿児島本線と豊肥本線が分岐する熊本駅の周辺で進められてきた在来線の高架化プロジェクトが、最終段階を迎えています。2018年3月16日(土)の深夜、最後まで残っていた鹿児島本線(下り線)と豊肥本線の地上線路が閉鎖。3月17日(日)の早朝から、在来線のすべての列車が高架線路を走るようになりました。

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営業列車では地上ホームを最後に発車した三角行き普通列車。背後には翌日から全面的に使用を開始する高架ホームが見える(2018年3月16日、草町義和撮影)。

 この高架化は、熊本県が中心となって進めている「JR鹿児島本線・豊肥本線連続立体交差事業」の一環。上熊本駅と熊本駅を含む合計約7kmの在来線の線路を高架化し、15か所の踏切を解消して道路混雑の緩和や地域分断の解消を目指すものです。

 線路の高架化では、駅の前後にある地上の線路から高架橋に設置した線路につなげるための切替工事を行わなければなりません。多くの場合、切替工事は終列車の発車後から翌日の初列車までの短い時間内で行われます。前日まで地上を通っていたはずの線路が、一夜にして高架の線路に生まれ変わるのです。

 実際に高架化で駅の線路やホームがどのように変わるのか、そして切替工事はどのように行われるのでしょうか。高架化前日の3月16日(金)の15時ころ、熊本駅を訪ねてみました。

 かつての熊本駅のホームはすべて地上に設けられていましたが、2011(平成23)年3月に九州新幹線の高架ホーム(11~14番線)が開業。続いて2015(平成27)年3月には、鹿児島本線の一部の列車が発着する高架ホームがひとつ(4~6番線)だけ使用を開始しました。そして今回、最後まで地上に残った0番A線、0番B線、1番線、2番線の各ホームを閉鎖し、高架ホームの1~3番線に切り替えられることになります。

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すべて地上ホームだったころの熊本駅(2005年5月、草町義和撮影)。
最終日の0番A・B線ホーム(2018年3月16日、草町義和撮影)。
最終日の1番線ホーム(2018年3月16日、草町義和撮影)。

 1番線ホームに移動してみると、線路を挟んですでに完成した高架駅が西側の景色を遮っています。ホームや線路の脇では作業員の集団がいて、周囲の構造物を見ながら歩いていました。深夜から始まる切替工事の事前チェックを行っているようです。

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コメント

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2件のコメント

  1. そんなのって、20年以上前から岐阜駅でしてるし、他の駅ではもっと前からしてるだろう。
    そんなありがたがる記事か?

  2. 別に有難い物でもないだろ。
    熊本駅より大分駅や金沢駅、前橋駅の方が高架化早かったし、東北以外の地方都市の駅なら高速化は普通だと思う。
    最も仙台駅が高架化していないのは問題あるがな。