シリア攻撃にB-1Bが飛んだ理由 トマホークはオトリ? 投入された「JASSM-ER」とは

2018年4月14日に実施された米英仏軍によるシリアへの攻撃において、B-1B「ランサー」爆撃機が出撃したのにはもちろん理由があります。米空軍にて同機とF-15E「ストライクイーグル」だけが運用できるミサイルに注目しました。

理由は長射程でステルスな空対地ミサイルの運用

 B-1Bは1980年代から運用されている爆撃機で、誘導、無誘導爆弾を含む多種多様な兵器を搭載することができます。かつては核兵器の運用も可能な機体でしたが、現在ではこの能力は取り外されています。このB-1Bは、搭載されているレーダーや各種機器、飛行高度や速度にあわせ翼の開く角度を変えられる可変翼機構などによって、敵のレーダーなどから探知されることを防ぐための超低空飛行をおこない敵地上空に接近できるという特徴をもっていますが、今回のシリア攻撃ではそれ以外の特徴が大きな理由となって投入されたと思われます。

 それは、B-1Bが備えている長射程空対地ミサイルAGM-158B「JASSM-ER(統合空対地スタンドオフミサイル・射程延長型)」の運用能力です。

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長射程空対地ミサイル「JASSM」。2003年の運用開始時点ですでに370kmという射程距離を実現している(画像:アメリカ空軍)。

「JASSM-ER」は、アメリカ軍で運用されていたAGM-158A「JASSM」という長射程空対地ミサイルの能力向上タイプです。そもそも「JASSM」は2003(平成15)年から本格的な運用が開始された「スタンドオフミサイル」、すなわち敵の地対空ミサイルなどが防護している範囲の外側から攻撃できるような射程の長いミサイルで、形状に工夫を加えることによってある程度のステルス(敵のレーダーなどに映りにくくなる)性能を有しています。

 この「JASSM」の射程距離を延長するなど能力を向上させたのが「JASSM-ER」です。「JASSM」の射程が約370kmであったのに対して、「JASSM-ER」はより高性能なエンジンの搭載や燃料タンクの容量増加によって、この2倍以上である約1000kmという射程を有しています。これにより「JASSM-ER」を搭載する機体は「JASSM」を搭載した機体より早い段階で目標を射程内に収められるために、敵から攻撃を受ける危険性を大きく減少させることができるのです。今回のシリア攻撃では、2機のB-1Bが「JASSM-ER」を合計19発発射しましたが、同機はこの長射程ミサイルを1機につき最大で24発搭載することが可能です。

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