陸自の足「1/2tトラック」とは 「隊内で最もありふれた車両」はどんなクルマ?

携行缶ほか、いかにも自衛隊な搭載アイテム

 車体をぐるりと見渡してみると、同じ「パジェロ」でも、初期型、中期型、最新型で相違点が見えてきます。外観上でもっとも違いが分かるのが、フロントのフォグランプです。初期型は1個のフォグランプがバンパーの運転席側に取り付けられていますが、中期型以降の「パジェロ」では2個のフォグランプがバンパーに埋め込まれています。ほかにも初期から中期型にはボンネットの上にターボ吸気用の穴が開けられていましたが、新型のボンネットには穴が開いていません。

 車体後部に回ってみると、いかにも軍用チックな缶がひとつ積んであります。これは携行缶と呼ばれる入れ物で、20リットルの燃料を入れておくことができます。ただこの携行缶ですが、このままではクルマへ給油することができません。そのため、車内には専用の給油管が搭載されていて、これを使ってクルマの燃料タンクに給油します。ほかにも車体後部には、万が一スタック(立ち往生)した時に使うショベルや、前に進むのに邪魔な木を切り倒すための斧が積まれていますが、筆者(矢作真弓:軍事フォトライター、元陸上自衛官)は一度も使ったことがありません。

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対戦車部隊の「ジープ」。部隊により各種装備が搭載された(矢作真弓撮影)。
対戦車部隊の「ジープ」(写真中)。最奥は中距離多目的誘導弾(高機動車)(矢作真弓撮影)。
2018年現在、陸自の「ジープ」はそのほとんどが退役している(矢作真弓撮影)。

 この「パジェロ」は自衛隊内で最も普及しているクルマと言っても過言ではありません。各地のイベントで見られるほか、一般道を走行することも多いので、どこかですれ違う可能性も高いです。装甲車よりも見劣りしてしまうため、注目されにくいのですが、自衛隊の活動には不可欠な存在なのが、この「パジェロ」なのです。

【了】

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コメント

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5件のコメント

  1. 配信停止依頼

  2. デビュー時には73式小型トラック(新)という制式名でいろいろ突っ込まれたのも思い出w
    ドアの裏にライフルラックがあって、64式か89式を1梃ずつ置けるはず。

  3. これ市販して!デフロックはセンターデフか?ATも4ATか?
    シンプル最高!市販パジェロや日産でも過去にテラノと言う車にオーバーフェンダーを用いない標準モデルがあったけど実は悪路の走破性はこちらが上かも?
    またパートタイム4WDではあったものの日産で海外(スペイン?)生産のミストラルと言うのがありましたが、これがまたテラノと同じTD27型ディーゼルを搭載するも味付けの異なる車で、こちらも個人的には自衛隊御用達でもいいかな?と思っちゃうくらいです。

    • ガセと言われており、実際そうではと思いますが、一時映画等の製作会社へなら売ってもらえるというウワサが。
      友人と休眠法人買い取って映像製作会社の体裁だけ整えて陸時パジェロ購入、すぐさま計画倒産。
      パジェロは債権者の俺たちが差押え( ゚Д゚)ウマー
      という与太話を。
      まあ、絶対売ってもらえないと思いますw

  4. 自衛隊のジープといったら正月の箱根駅伝の昔の伴走車として使われていた時のイメージが未だにあるな。