動くモフモフ、陸自の「偽装」技術 ペイントだけではない、戦場での身の隠しかた

「ステルス」というのは、なにも最新の技術を駆使したものばかりではありません。これまでも、人々は戦場で身を隠すことに知恵を働かせてきました。周囲の風景に溶け込むよう「偽装」することも、そうした技術のひとつです。

戦車も偽装

 自衛隊のクルマたちはほぼ全て偽装します。その方法は草を付けることですが、ただやみくもに草木を付ければ良いものではありません。周囲に溶け込ませる、輪郭を不鮮明にするなど、ちょっとしたコツや要領がわかっていないと、効果が薄くなるのも事実です。

 草木をクルマに取り付けるためにゴムバンドをクルマに巻いたり、フックを通す穴に草を差し込んでみたり、偽装網に絡ませたり色々な方法で隊員たちはクルマを偽装しています。

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偽装する偵察オートと偵察隊員。バイクにも偽装の布が貼り付けられている(矢作真弓撮影)。

 対空ミサイルや戦車も例外ではありません。戦車などの大型車両の場合、全周をススキなどで覆っては、運転手が前を見ることができず、非常に危険な状態になるばかりではなく、車体の各所に設置されたセンサー類も正常に作動しなくなる恐れがあります。可動部に草が絡まってスムーズに動かなくなる場合もあれば、走行中の振動で少しずつ草が落ちて、自分の行き先が丸分かりなんてことにもなりかねません。なので、実戦を想定した訓練の場合は、必要最小限の偽装にとどめられます。

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周囲と同じススキを付ける10式戦車(矢作真弓撮影)。
ススキを取り付ける軽装甲機動車。上部ハッチには01式軽対戦車誘導弾をもつ隊員(矢作真弓撮影)。
偽装された81式短距離地対空誘導弾(矢作真弓撮影)。

 それでも一度だけ、砲身以外を全て草で覆った74式戦車を見たことがあるのですが、仲間に指摘されるまでその戦車の存在に気が付くことはありませんでした。自衛隊の偽装技術は非常に高いと感じた瞬間でもありました。

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