タイヤのメンテ「興味なし」の現実 空気不要の「エアレスタイヤ」が求められるワケ

実用化はまだ先? 立ちはだかる大きな壁

――ゴムのトレッドである限り摩耗すると思いますが、これについてはどのようにお考えでしょうか?

 ご指摘のとおり、トレッドは摩耗します。その補修を「トレッドの張り替え」で対応していくかどうかについては、結論は出ていません。本当の意味で全く手が要らない「メンテフリー」はまだまだ難しい状況です。まずは日常的な点検が要らないという意味でのメンテナンスフリーを実現していきます。

――乗り心地はいかがでしょうか?

 2017年9月に実施した試乗会では、「ノアイア」を荷重1トンの軽自動車に装着し、120km/h走行まで耐えうることを体験いただきました。参加された方からは、乗り心地は「まだまだ」というご意見もありましたが、2006(平成18)年から開発を積み重ねてきたこともあり、「ここまできたか」というお声も多かったです。

――実用化の見込みはあるのでしょうか?

 いいえ。自動車用エアレスタイヤについては、法令などの壁が存在します。現状の技術基準では、タイヤは「空気入り」とされているため、タイヤの定義そのものを変えていかなければならないのです。当社だけではなく業界全体で基準から見直していく必要がありますが、そこで法規を語れるほどの技術レベルにはまだ到達していないというのが実情です。2、3年ではなく10年、20年のスパンで見ていく必要があるかもしれません。

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「ノアイア」装着車両(画像:東洋ゴム工業)。

※ ※ ※

 エアレスタイヤは、単に「パンクしない」だけではなく、メンテナンスの軽減という課題を解決するものとして開発が進められているようです。なお、同様の技術はブリヂストンなどでも開発しており、同社では2019年をめどに、まず自転車用を実用化するとしています。

 ちなみに、タイヤのメンテナンスを効率化する技術も開発されています。アメリカのグッドイヤーは、IoT(モノのインターネット)技術を活用し、複数車両のタイヤ情報を車両管理者が一元的に管理できる「インテリジェントタイヤ」のプロトタイプを2018年3月に発表しました。日本グッドイヤーによると、これはレンタカーやカーシェアの増加を見越した事業者向けの技術とのこと。保有車両の空気圧などの情報をモバイルアプリを介してリアルタイムに共有できるそうです。

【了】

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コメント

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2件のコメント

  1. 長距離通勤なので年二回はパンクやスローパンクチャーに成ってたりするので一昨年TPMSを付けた。
    月一以上の頻度でエアーチェックを定期で行っていたが、付けてからはリアルタイムで内圧が把握出来るので利便性が上がった。 ただTPMSは海外製の物が大半で制度や耐久性は微妙な物が多い。
    国内メーカーの物もリリースはされているが全く以て力を入れて製品化していないので簡易的な物しか無い。

    タイヤの状況を絶えず把握しておく又は安全…安心を重視するならばTPMSの導入は非常にお進めする一品だ。

  2. ガソリン車が減らない理由はこういう所にも有るんだろうな