道路補修工事に革命? 首都高、橋の塗装工事足場を段ボール箱でまかなう新工法とは(写真13枚)

首都高速道路が、道路橋の塗装工事を大きく変えるという新工法を開発しました。従来、塗り替え工事では大掛かりな足場を組んで粉塵などを防止する必要がありましたが、これを段ボール箱ひとつでまかない、局所的な塗り替えを可能にするものです。

橋の塗り替え、局所的にはできないワケ

首都高が画期的な補修工法「スポットリフレ工法」を開発した(1分34秒)。

 首都高速道路ら5者が、道路橋の補修工事に関する新工法「スポットリフレ工法」を開発、2018年6月13日(水)にそのデモンストレーションが行われました。

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首都高速道路がデモンストレーションを行った「スポットリフレ工法」(2018年6月13日、中島洋平撮影)。

 鋼製の橋桁(はしげた)には、経年とともに局所的な腐食(錆)が発生していきます。首都高速道路 保全企画課長の永田佳文さんによると、こうした腐食を放っておくと穴が空いてしまうこともあり、それを防止するため塗装の塗り替えが必要だといいます。しかし、クルマの部分的な傷を補修するように、腐食箇所だけを塗り替えるのは、従来難しかったといいます。

「塗装においては、塗料を塗る前に鋼材本来の素地を露出させる『素地調整』が重要です。そこで最も有効とされているのが、砂状の鉱石を構造物に高圧で吹き付けてサビを落とす『ブラスト』と呼ばれる工法なのですが、粉塵や有害物質の飛散を防止するため、大がかりな足場を組んで厳重に防護しなければなりません。したがって、広い範囲に足場を組んで塗り替えを行うことが一般的です」(首都高速道路 永田さん)

 このため、塗装工事で多くの費用と手間がかかるのは「足場工」なのだとか。加えて、足場のなかで作業員は宇宙服のような防護服を着用し、酸素ボンベを付けて作業するという厳しい環境に置かれているそうです。

 そこで開発されたのが今回の「スポットリフレ工法」。足場を使わず、段ボールを施工面に当てて粉塵や有害物質の飛散を防止するものです。高架橋から宙づりになって作業する「特殊高所技術」、あるいは点検に用いられる高所作業車を用いて施工でき、大幅なコスト削減と省人化が可能とのこと。首都高速道路の永田さんは、「塗装工事の概念が変わります」と自信を見せます。

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