方向幕やバスカードも過去のものに? いまや珍しいバスの設備【路線バス編】(写真14枚)

日本の路線バスは、乗りやすさ、わかりやすさを向上させるべく日々進化し続けています。「ノンステップ化」「ICカード」「カラーLED行先表示」などの普及が進んだ一方で、数を減らし、いまや珍しい存在となったサービスや設備もあります。

「デジタル化」「バリアフリー」で進化する路線バス

 より「乗りやすいバス」「分かりやすいバス」をめざし、日本の路線バスは日々進化し続けています。一方で、「いまでは珍しい」「数を減らしている」サービスや設備があるのもまた事実です。これらの流れに共通するキーワードを付けるとしたら、「デジタル化」「バリアフリー」という言葉があてはまるかもしれません。

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いまや希少な「モノコックボディ」の路線バス。伊予鉄南予バス(須田浩司撮影)。

コレクターズアイテムとなった「方向幕」

 最近、街中を走る路線バスの行先表示を見て、何か気付くことはありませんか。鉄道の駅や車体の行先表示では当たり前になりつつあるLED方式の行先表示器が、バスにおいても普及しているのです。

 LED行先表示器を導入するメリットは、「スムーズに行き先や種別を変更できる」「表示内容の編集が容易」「多彩な表示が可能」「メンテナンス費用を下げられる」など様々。現在主流なのは、オレンジ色など単色で表示するタイプですが、最近は複数の色を用いるカラーLED行先表示器も徐々に普及してきています。

 その影で急速に数を減らしているのが、「方向幕」と呼ばれる幕式の行先表示器です。行き先や運行区間、路線名などを表示した「幕」(フィルム状のもの)を、巻き取り器などを使って表示させるというものですが、LED式の普及が進むにつれ、「車両の転属や路線の改廃時に幕の交換作業が必要」「モーターやギアといった駆動部分のメンテナンスコストがかかる」などのデメリットが目立つようになりました。加えて、方向幕は焼却すると有害物質が発生するために、焼却処分ができません。このため、バス関連イベントで廃品として販売されることが多く、短時間で完売になることも多い人気のコレクターズアイテムにもなっています。なかにはネットオークションなどで高額で取引されているものもあります。

 一方で、京都市交通局(京都市営バス)のように、あえて方向幕を採用し続けるバス事業者もあります。同局ではもともと方向幕の系統番号を色分けして意味を持たせていましたが、2014年3月の運行計画変更で、さらに経路に応じたシンボルカラーを採用した結果、単色のLED行先表示では複雑な配色ルールに対応することが難しいため、現在でも方向幕を採用しているのです。

 じつは同局では、2010年代に入ってからいったん新車でLED行先表示器を採用していましたが、新運行計画が発表された2013年度新車からフィルム式の方向幕に戻していました。しかし、「平成30年度交通事業予算概要」によると、予算の重点項目の中に「見やすいフルカラーLED行先表示器の導入」が明記されており、早ければ2018年度にはフルカラーLED行先表示器を搭載したバスが登場する予定になっています。

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コメント

7件のコメント

  1. 乗車カード、ICカード化されると同時にプレミアや割引がなくなるという、うれしくない傾向も。
    磁気カードは他に栃木や群馬、島根でも県域統一のカードもあるし、まだまだ続くのではないだろうか。
    「トラフィカ」や「回数カード」も必須カード。無くなられては困る。

    • 例えば奈良交通「CI-CA」や阪急バス・阪神バス「hanica」、バスじゃないけど嵐電「らんでんカード」みたくICOCAやPiTaPaはじめ、全国のICカードが使えるけど「独自の味付け」をした(そこしか使えない)ICカードは普通に出てますし、それどころか京阪バスでは所有者のPiTaPaどころかICOCAにすら「今日は乗り放題で使いたいねん」と申告すると運転手さんが「よっしゃ分かったで」と1dayチケット乗っけたり(1day分の大人650円はあらかじめチャージされてる必要あります念の為)、京阪バスグループだと登録しとくと路線バスにICOCAにポイントサービスくっつけてみたり(普通運賃で10回乗ると次の1回分タダ)とやる気のある事業者さんはその辺は普通にやってますよ。

    • コメントありがとうございます。
      おっしゃられているこれらのバス会社は「やる気がある」というよりも「サービス維持」であり、維持できる経営力・輸送需要があるから実現できているのかなと思います。ICカード化、もしくはシステム更新されると同時に割引が廃止になり、微々たる率の「ポイント」になったところは、余力がなく経営が大変であると予測できるので、仕方のないことなのかもしれません。

  2. 懐かしいな、私が修学旅行で乗ったのが日野RC320ターボ
    過給音ギンギンの縦6ターボ、同じ貸しきり使用に用いた日野RV(EF300型又はEF500型?)のV8型を搭載した型より出力は劣るものの実に打たれ強いエンジンでありました。
    エアロスターの初期のノンステはエンジンが左寄りに搭載されていた記憶がありますが、同時期に他社はエンジンを寝かせたり横置きにして対角線状にドライブシャフトとデフを繋いだりした中で、私は逆に縦置きでノンステを実現した三菱の技術に注目してました。
    巻き取り式の方向幕と言えば東海700系のC編成くらいしか思い浮かべなくなってしまいました。

  3. >方向幕もレア物に…
    その一方で無くなる気配すらない
    コピー用紙の行先表示(笑)

    それはさておいて、
    京都市バスは30年度新車から
    フルカラーLEDに仕様変更しますよ。
    在来車の改造が有るか無いのかは不明ですが。

    バスで消えたと言えば、
    ワンマン・ツーマン兼用車や
    キャブオーバーとセンターアンダーフロアエンジンかな?
    ツーマン車は保存車で残ってるけど、
    兼用となると???

    エンジンもボンネットは残ってますし、
    リアエンジンは今の主流。
    それ以外は???

    • 同じリヤエンジンでもトランスファーを用いてシャフトをUターンさせた日野RBと初代リエッセも霞むようにしか見なくなってしまった。
      何やら路線には就けない法の縛りができたとかで?
      ただねー、MTだとクラッチが辛くてね
      センターエンジンならギリギリにレインボウの日野CHかメルファ型なら地方で見るけど初代のW06エンジンは非力でね~後にH07からJ08へと進化したけど実用トルクはリエッセや現ポンチョのJ05が元気だったりするわけね
      ボンネットならいすゞBXDが各地で拝めるけど実はその間に隠れた名車なんて数えきれんくらいあるわけよね

  4. バスの方向幕も昭和55年頃から大型化され、スケルトンボディ普及する昭和58年頃までの数年だけだったけど前面の雰囲気がかなり違ってましたなあ。
    川崎車体製の昭和40年代後半のリヤウインドウが2枚連続ガラス構成で屋根近くまでの大きな窓だったけど、夜間の回送で走ってると後続車はどんな感じだったのだろうか。