「ズムウォルト」主砲弾すらない現状とは あの異形の駆逐艦はその後どうなった?

「ステルス艦」ゆえの艦影すらも…

 ズムウォルト級を29隻もキャンセルした余波は、砲弾だけではなく当然、艦そのものにも大きな影響を与えており、建造費は2番艦「マイケル・モンスーア」3番艦「リンドン・B・ジョンソン」を含め3隻合計で約1兆2000億円にも達しています。しかも1兆2000億円をかけて建造した3隻の艦から発射可能な主砲弾はなく、武装は既存のアーレイバーク級イージス駆逐艦よりも少ない80セルの先進垂直発射システム(AVLS)と、これに格納するミサイル、そして対小型船用の30㎜機関砲のみとなります。

 2018年現在、LRLAP中止による代替砲弾の開発は未定のままであり、もはや対地砲撃プラットフォームとなる当初の目的は完全に失われてしまいました。また一番艦「ズムウォルト」に対しては新しいアンテナ等の搭載が進みその表面は突起だらけになっており、完璧なまでにレーダー反射源を排除したステルスのための艦影もなくなりつつあります。

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「ズムウォルト」2016年12月撮影。ステルスのために磨き上げられたその艦影は、いまや見る影もなくなりつつあるという(画像:アメリカ海軍)。

 ズムウォルト級は軍用艦艇としては最大の発電容量を有しており、将来的には155mm AGSから大電力を必要とするレールガンに置き換えるといった計画もあるようです。こうした新しい装備の試験評価を行う上では最適な艦ではありますが、そもそも試験艦として使うには無駄に高級すぎ、そして「戦う軍艦」としての価値も根底から崩れてしまった3隻のズムウォルト級を今後どのように運用するべきであるのか、アメリカ海軍は難しい課題の答えを導き出す必要に迫られています。

【了】

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コメント

3件のコメント

  1. 兵装システムが完成する前に建造しちゃうから…

  2. 2,3番艦は頓挫しそうだな。
    別の軍艦として動かすかもしれない。

  3. 在来の砲弾が使えないって、何でそんな仕様にしたんだ?