「ズムウォルト」主砲弾すらない現状とは あの異形の駆逐艦はその後どうなった?

圧倒的な火力は幻に

 LRLAPが開発中止となった最大の原因は、1発あたり約1億円という高コストにあります。一般的に大砲から打ち出される砲弾は単価が安いという利点を持ちます。たとえば陸上において使用される155mm榴弾砲における従来型の弾丸は、1発あたりの単価が数万円~20万円程度に過ぎません。ゆえに大量に投射するような使い方に適しています。

 しかし1億円にも達するLRLAPでは1分間で10発~20発を集中的に叩き込むような本来想定した使い方が難しくなってしまいました。この1億円という価格は1500㎞の射程距離を持つBGM-109「トマホーク」巡航ミサイルにほぼ匹敵し、さらにアメリカ海軍の主力艦上戦闘機F/A-18E/Fに搭載可能なGBU-39「SDB」誘導爆弾の10倍以上もの高値です。

 平均速度約400m/sで飛翔するLRLAPはトマホークよりも高速で、かつ威力が弱く市街戦でも使いやすく、SDBとは違って常に上空に戦闘機を滞空させておく必要がないといった強みこそあるものの、結局のところこれらの攻撃手段に比べても費用対効果に著しく欠けるとみなされてしまいました。

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ズムウォルト級2番艦「マイケル・モンスーア」(画像:アメリカ海軍)。

 なぜズムウォルト級は砲があっても弾がないという、重大な状況を招いてしまったのでしょうか。LRLAPの価格を大きく押し上げてしまった大元の原因は、ズムウォルト級の建造計画が当初予定の32隻からわずか3隻へ縮小されてしまったことにあります。当然主兵装たる155mm AGSから発射されるLRLAPの生産計画も大幅な見直しを余儀なくされ、調達予定数は計画の1割を割り込む1800~2200発にまで削減されてしまいました(ズムウォルト級は1隻あたり600発搭載可能)。そして量産効果による価格低減の見込みがなくなってしまった結果、LRLAPのコストは1発あたり500万円以下の見込みから1億円へと実に20倍も膨れ上がってしまったのです。

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コメント

4件のコメント

  1. 兵装システムが完成する前に建造しちゃうから…

  2. 2,3番艦は頓挫しそうだな。
    別の軍艦として動かすかもしれない。

  3. 在来の砲弾が使えないって、何でそんな仕様にしたんだ?

  4. 目玉の艦砲射撃が出来ないトナ・・・ぃぁ未だ電磁砲レールガンが有るッ!
    物に成ったら海自も導入して大和は無理でも榛名とか名付けて欲しい;