「経由地」で差をつける夜行バス 都市間連絡、遊園地や空港直結…すべて担う路線も

経由地や路線は実際どう決められるのか

 では、夜行バス(高速バス)の経由地や停留所は、どのようにして決められるのでしょうか。これも様々なケースがありますが、多く見られるのは、運行事業者の事前調査で利用が見込めると判断して決めるケースと、沿線地域(自治体や企業なども含む)からの要望を受けて経由地や停留所を決めるケースです。

 手続きについても、夜行バスを含めた高速バスは、道路運送法上で通常路線バスといわれる「路線定期運行」に分類されるため、新規路線開設、経由地変更、停留所変更いずれの場合も、通常路線バスで行う手順と基本的には同じです。

 たとえば、既存の運行事業者が新規路線を開設する場合、まず大まかな利用予測を立てて、沿線の人口動態や、鉄道、飛行機、そして既存の類似高速バスの利用状況などといった裏付けデータを準備し、周辺事業者および警察、道路管理者、土地所有者など関係機関との調整を行い、事業計画、運行計画を策定します。そして、これら計画を含む申請書(一般乗合旅客自動車運送事業<路線定期運行>の事業計画変更認可申請書)を国へ提出し、認可を受けます。

 申請書には、路線、営業区域、担当営業所の名称・位置、営業所ごとの配置車両数、バス停の位置・名称などを記載する必要があるほか、関連必要書類も添付しなければなりません。地域のニーズや、道路の幅員、事業としての採算性などを総合的に勘案して、運行事業者が関係者と協議のうえ、申請書を作成するのです。

 なお、経由地変更の場合も新規開設と同様の手続きが必要となるほか、停留所の新設、移動、名称変更についても、運行事業者が国へ申請し認可を受けることになっています。ただし、運賃変更をともなわない停留所の新設、移動、名称変更については事後届出でもよいとされていますが、実際には関係機関との合意が必要となります。

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国際興業の東京~八戸・七戸線「シリウス号」(須田浩司撮影)。
防長交通「萩エクスプレス」。山口県側では複数の都市に停車する(須田浩司撮影)。
三重交通「南紀大宮線」。首都圏側、南紀側とも複数の都市に停車する(須田浩司撮影)。

 かつては、「とりあえず走らせばある程度は乗ってくれた」夜行バスも、いまや運行事業者間が切磋琢磨しながら、車両や座席、サービス、運賃などで「個性」を打ち出す時代になっています。もちろん、経由地や停留所も「個性」のうちのひとつ。今後も利用者の立場に立った路線や停留場の開拓を是非とも期待したいところです。

【了】

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Writer: 須田浩司

自称「高速バスアドバイザー」。運行管理者資格所有。高速バス乗車1000回以上。 紙原稿・ネット原稿・同人誌・ブログなどを通じてバス・鉄道を中心とした 「乗りもの旅」の素晴らしさを伝える活動を行う。北海道在住。

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コメント

4件のコメント

  1. 事例にない例もありまして、
    東京特急ニュースター号のように布施や王子のような意味不明な終着地の場合、
    実はそこが営業所付近という場合も。
    一部の路線では●●車庫前とはっきり言い切ってる例もありますが。

    それに類するかたちで微妙に異なるのが、
    京都びわこドリーム号。
    元々は近江と西武、近江と京急。の2路線。
    近江と京急撤退で路線廃止…とならず
    統合して更に共同運行を西日本JRに変更。
    更についでに京都駅発着(西Jの営業所付近でもある)した事例なんかも。
    この事を知らないと何で京都発着で滋賀県湖東地域に細かく停車?と。

    あとはJR東海と四国のように統廃合と事のついでにワンマン化(徳島で運転士交代)した事例もありますね、

  2. バナナの叩き売り認可と、持ってけ!泥棒認可でドライバーさんも大変ですね
    この業界も車を所有しない事業主に振り回されてると言うか?
    長野オリンピック当時には長野ナンバーの早稲田や葛西営業所の都バスとか現地で走ってましたけど、
    それらを都心から長野に回送したりす変更登録する手間なんて今話題のボランティアではないでしょうが?どんだけ何処にケツを持たせるか?くらいの感覚じゃなきゃ申告する方も受理するほうも暴走して路線なんか増えやしませんよね

    • 長野オリンピックの時は、
      新車→長野で初度登録→改めて都営で登録(書換)
      だったはず。

      大型車の場合は製造工場から自力回送なので移動費は陸送費と思えば、
      騒ぐほどの差はないかと。

      必要なのは長野→都内の登録変更代が主なので、
      国家上げてての行事ていうのと、
      タダではないけどよくある話。の範囲内。
      例えば都営でも臨海(品川ナンバー)→杉並(杉並ナンバー)なんかもありますしね。

    • パラの時は車椅子対応で折り畳み式中ドアのノンステのスロープ付が各々支店から出陣してたような?
      三菱が例の一件で転ける前は都バスの支店単位でメーカーも分けてたようですけど、メーカー四つ来てましたね。
      日野車も横浜で、いすず車は栃木(現Jバス栃木)で単独で製造してた頃なので、いすず車は江東だったかな?
      確かに車庫からの回送手配も各メーカーや支店手配じゃなくて一社代表だったような?
      上信越道で2回ほど遭遇しましたよ、当時は回送でも高速走らない条件は備考にはなかったかもしれませんね。北海道なら旅館送迎で組合で横浜市営の片文字消した塗装まんまで使ってるのも会ったし
      何と言うか器も乏しく都会に甘く地方に厳しいとでも言いましょうか?羨ましいくらいですよ