国内で見たらかなりマズい、日本未導入の弾道ミサイル迎撃システム「THAAD」とは

弾道ミサイルの脅威への備えとして導入が決まった「イージスアショア」ですが、その検討段階では「THAAD」という迎撃システムの名前も挙がっていました。導入競争に敗れたものの、迎撃率は100%といい、今後も日本と無縁ではなさそうです。

発展性や将来性も大きな強み

 加えて現在、その能力をさらに高めるための段階的なアップグレードが行われています。具体的には、これまでは弾道ミサイルの迎撃に際して「THAAD」のレーダー自身が捉えた目標に対して迎撃を行う仕組みだったものを、今後はイージス艦などほかの場所に配置されたセンサーで捉えた目標情報をもとに迎撃ミサイルを発射して目標を迎撃できるようにしたり、あるいは「THAAD」のAN/TPY-2レーダーと発射器などをそれぞれ離れた位置に置くなど、従来よりも「THAAD」の各構成要素を柔軟に配置したりすることにより、防護範囲をさらに広げることができるようになるとされています。

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車力(青森県)と経ヶ岬(京都府)を中心とした半径1000kmの範囲。AN/TPY-2レーダーの探知範囲を示したものではない(国土地理院地図を加工)。

 ちなみに、「THAAD」のAN/TPY-2レーダーには、弾道ミサイルの早期探知を目的とする「前方配備モード(探知距離約数千km)」と、迎撃ミサイルの管制などを行う「ターミナルモード(探知距離約数百km)」というふたつのモードがあり、とくに前者の前方配備モードのAN/TPY-2は、北朝鮮の弾道ミサイルを早期に探知することを目的に、レーダー単体として青森県の車力と京都府の経ヶ岬に配備されていることから、日本にとっても他人事ではない存在です。

 このように長大な探知距離をほこるAN/TPY-2によって「THAAD」は弾道ミサイルの飛翔を遠く離れた彼方から探知できるわけですが、こうした能力を、上に見たような「THAAD」のアップグレードによってさらに引き出せるようになれば、弾道ミサイルの探知をより効率的に行えるようになるでしょう。

 また、すでに破壊された弾道ミサイルの破片が空中に飛び散っていて目標の識別が難しいといった、より複雑で困難な環境でも弾道ミサイルを迎撃できるよう、「THAAD」自身の信頼性向上なども行われていく予定で、こうした取り組みによって、「THAAD」はより確実に弾道ミサイルを迎撃できるようになるでしょう。

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