豪雨被害の広島~呉を走る「災害時BRT」とは 通勤2時間超を40分に 命名にある想い(写真12枚)

2018年7月の西日本豪雨による被害で、通勤通学の足に大きな影響が出ています。そのようななか、広島県では「災害時BRT」と銘打ったバスによる代替輸送で通勤通学をサポートし、定時性の確保に効果を上げています。どのような仕組みなのでしょうか。

効果絶大「災害時BRT」 命名に込められた想いとは

「災害時BRT」の導入効果は絶大でした。7月17日の運行開始日に呉工業高等専門学校の神田佑亮教授らグループが実際に計測した結果では、呉駅前から広島駅前までの所要時間は、バスの場合速い便では40分程度、遅い便でも70分程度。一方、国道31号経由で同じ区間、ほぼ同じ時間帯を自家用車で実走したところ、2時間以上を要しています。

 具体的なルートは、被害が大きく復旧に時間を要する坂南IC~天応西IC間は国道31号を、それ以外はおもに広島呉道路を経由します。ところが、天応西ICは広島方面だけに出入り口がある構造のため、呉方面からの出入りができません。そのため、広島寄りの本線上でバスをUターンさせるという“奇策”によって、同ICの利用を可能にしました。

 運行開始後も、広島から呉へ向かうバスは朝ピーク時に2時間を要していましたが、7月26日からは坂北ICの本線料金所にバス専用レーンを設置(呉方向のみ)。また8月9日からは朝のみ国道31号の一部区間にもバス専用車線を設置する対応が行われています。なお、専用レーンは災害関係車両やバイクなども通行可能です。

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広島~呉間の通勤通学バス運行経路。JR呉線の代行輸送を担う広島駅発着と、広島バスセンター発着の2ルートがある。濃い青は広島呉道路で特に被害が大きい箇所(画像:広島県)

 この「災害時BRT」のアイデアを行政に提案したのも、先述した呉高専の神田教授です。交通や地域計画、公共政策を専門とする神田教授からの提案は7月13日になされ、3連休のあいだに関係各所による検討を経て、翌営業日である17日の実現にこぎつけました。

 神田教授によると、「災害時BRT」という名称には渋滞緩和につなげるだけでなく、あえてこうした言葉を使うことで一般の方に関心を持ってもらい、この事例を今後の災害発生時にも役立ててほしい、という意図が込められているといいます。

 いま、呉線の代行バスは、幅広い地域の事業者から応援に駆けつけたバスで運行されています。災害が起きないことがもちろん望ましいのですが、災害発生後に公共交通手段を確保する策として、「災害時BRT」は今後の参考例となるかもしれません。

【了】

※記事制作協力:風来堂、石川大輔

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コメント

2件のコメント

  1. まさか呉線もクレアラインも両方とも通れなくなるなんてことは想定外であったであろう。

    もう二度とこんなことが起きないことを願ってならない。

  2. こんな面倒な事になったもアベの精ニダ

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