「大浦天主堂下」停留場の「下」は不要? 長崎の路面電車、13停留場を一挙改称のワケ

「大浦天主堂下」は「大浦天主堂」に むしろ実態と乖離?

 今回の改称で最も重要視されているのは、「沿線の観光施設を停留場名とすること」でしょう。長崎電気軌道の担当者によると、これはおもに、観光客など「長崎市に不慣れな人」へ向けた改称とのことです。

 長崎市の主要な観光地のうち、「出島」「思案橋」は、そのものズバリの停留場名が以前からありましたが、「平和公園」「原爆資料館」「めがね橋」「新地中華街」が今回の改称にともなって新たに採用されています。改称前はそれぞれ「松山町」「浜口町」「賑橋」「築町」でした。

 停留場の名前に採用されると、その施設名の拡散効果も見込まれます。たとえば、1系統と4系統の終点だった「正覚寺下」は、特に行先名に使われることもあり、長崎市に縁のある多くの人が「正覚寺に行ったことはなくても、存在を知っている」状態でした。今回、この停留場は「崇福寺」に改称されています。

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改称前の公会堂前停留場。隣の賑橋、諏訪神社前とも改称され、現在はそれぞれ「市民会館」「めがね橋」「諏訪神社」となっている(沖浜貴彦撮影)。

 さらに、元の名前を生かしつつ、一部分だけ改称したものもあります。「長崎大学前」「浦上車庫前」「大学病院前」「諏訪神社前」の4か所は、いずれも「前」が外されました。そして、「大浦天主堂下」は「下」がなくなり「大浦天主堂」に改称されています。

「大浦天主堂」停留場は大浦天主堂の最寄りであることは間違いないのですが、現地までは「グラバー通り」という急坂を登る必要があり、大浦天主堂「前」とは呼べない位置にあります。そのため、従来は「下」という表現を使い、「前」よりも少し離れているニュアンスを表していたと考えられますが、それでも今回、「下」も「前」と同様に外されることとなりました。

 このことについて、地元の人からは「停留場からそれなりに歩くのに、まるで目の前かのような印象を受けてしまう」という意見もあるそうです。万人にとって「これが最適」と思う停留場名を選択するのは難しいのかもしれませんが、改称によってわかりやすくなったと好評を博すのか、さらなる改善が求められるのか、注目です。

 ちなみに、路面電車の停留場は「大浦天主堂」に改称されましたが、すぐ脇にある長崎バスのバス停は「大浦天主堂下」のままです。運営会社も違いますし、バスの場合は路面電車と違って、おもな利用層が地元客だからかもしれません。

【了】

※記事制作協力:風来堂、沖浜貴彦

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コメント

4件のコメント

  1. ○○前や○○下ってある意味正しい表現だろ?
    別に中にあるわけでもないし。
    ほかの項目は別としてわざわざ直し必要があるのか?

    • 公共性が高いモノであるから、正確さの方を優先すべきですよね。
      余りにも運行会社の自己主張強すぎ・身勝手さが顕わになっているとしか感じられない。
      〇〇前・〇〇下はまさに正確に位置関係を表している一例。
      逆に地元の方は熟知しているから大丈夫であっても、関係者は目的施設直近に停留所があるかと勘違い・混乱の元。
      記事本文にあるけど、路線バスに限らず路面電車も地元市民の日常の足であって観光客目的の交通機関ではないし。長崎バスは〇〇下のままで路面電車は下を省くなんてのは・・・確実に勝手を知らない外来利用者の勘違いを誘発させて、バスから利用者を奪う目的もミエミエかと。

  2. いしいひさいちの「東京の次が新東京で、その次の駅が新々東京で、さらにその次が」って皮肉な漫画をおもいだした。

  3. 長崎電気軌道の判断でまともと思えたのは、公会堂前を市民会館に変更したことだけ。これでも前を付けるべきである。他の電停においては狂気の沙汰としか言えない有様で、正しい判断ないし、適切な判断という表現は使えない実例である。
    築町を新地中華街にするくらいなら、十八銀行前にした方が説得力があると思う。