飛行機黎明期、急伸の影にカメラと大砲あり 技術的スタートダッシュができた理由

偵察機を追っ払え!

 味方の様子を「盗み撮り」するような敵偵察機ほど面倒なものはありません。そこで敵の偵察機を追い払おうと、武器を積んだ戦闘機という機種が生まれてくるのです。そうなると味方偵察機を守るため、こちらも戦闘機を繰り出します。こうして戦闘機同士の空中戦というものが起こるようになり、敵の戦闘機を排除し偵察機が活動できるようになると、「『制空権』を取った」と表現するようになります。第一次大戦の空中戦は「空の騎士道」が生きた戦闘機同士の一騎打ちのように後世でいわれますが、実際の空中戦の目的は敵偵察機を追い払うことで、敵戦闘機と「一騎打ち」をすることではなかったのです。

 戦闘機というものの、最初は非力な飛行機に重い機関銃は載せられず、レンガを投げつけたり、ピストルを撃ち合ったりした「のんびり」な戦いでしたが、飛行機はどんどん改良されて、機関銃は標準装備となり空中戦も熾烈になっていきます。

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第一次世界大戦末期に登場した、ドイツ軍のユンカースD.I。機体も含め全て金属製の戦闘機。

 こうして「制空権」争いのため戦闘機は急速に進歩します。1914年頃の飛行機のエンジンは100馬力にも満たず、重量も1t以下でしたが、末期の1917(大正6)年にはもう機体から全て金属製で200馬力という強力な機種も登場します。たった3年で大変な進歩です。

 その後も「制空権」は戦争の勝敗を左右する大切な要素となり、戦闘機の進歩は目を見張るばかりです。最新の戦闘機はもはやライト兄弟の飛行機とは「どうしてこうなった」というぐらい異次元の乗り物です。この飛行技術の進歩はまさにスタートダッシュから始まったといえるでしょうが、その影にはカメラと大砲という、一見全く関係なさそうなものが絡んでいたのです。

【了】

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