海外で緊急事態、日本人どう保護? 自衛隊の重要任務「邦人救出」 訓練にC-2初参加

C-2輸送機も初参加、アフリカで行われた訓練

 2018年9月1日から9日までのあいだ、アフリカのジブチ共和国などにおいて、「在外邦人等保護措置訓練」が行われました。統合幕僚監部及び情報本部約20名、陸上総隊中央即応連隊など約80名、航空支援集団など約20名が参加しました。

 これまで、TJNO、そしてRJNOを想定した訓練は、国内外で行われてきました。ジブチにおいても、2016年、2017年と行われてきました。

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「在外邦人等保護措置訓練」に初めて参加する空自C-2輸送機(菊池雅之撮影)。

 特筆すべきは、今回初めて、配備されて間もないC-2輸送機が使われた点です。9月1日に美保基地を離陸した第403飛行隊のC-2は、経由地を経て、9月2日午後12時10分、ジブチ国際空港へと着陸しました。訓練の目的の中に、「ジブチ共和国及びその周辺国への航空機の運航等」と明記されていました。日本からジブチまで飛行すること自体が訓練であったのです。

 機体から降りてきたのは中央即応連隊の隊員たちです。この部隊は、PKO活動など、海外派遣が決まれば、先遣隊として真っ先に派遣されます。そして主力到着までのあいだに、活動基盤を準備します。よって、彼らに在外邦人等保護措置にともなう派遣命令が下る可能性は十分に考えられます。続けて、軽装甲機動車もC-2で運ばれてきました。

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C-2により運ばれてきた陸自軽装甲機動車(菊池雅之撮影)。
「現地における陸上輸送等に係る行動」の一環として、実際に民間車両を交え、車列を組み移動する様子(菊池雅之撮影)。

 9月3日、中央即応連隊の隊員たちは、軽装甲機動車や民間車両を用いて、「現地における陸上輸送等に係る行動」のひとつとして、運転技術を学ぶための車両操縦を行いました。翌4日には、ジブチ軍の施設を借り、射撃訓練を行いました。そして5日には、TTX(机上訓練)として、在ジブチ日本大使館や米軍と連携要領を確認しました。

 活動拠点からの撤収も目的のひとつです。7日に隊員たちは再びC-2に乗り込み、経由地を経て9月9日に日本へと帰国しました。

 世界はある日突然大きく変わる事があります。自然災害の発生などは、誰にも予測できません。そうした万が一の事態に備え、自衛隊は訓練を重ねています。

【了】

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コメント

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2件のコメント

  1. C-2が展開できるために車両輸送が迅速になった。
    今まではC-130だったから給油と巡航速度が遅いため展開時間が数倍かかった。
    人員はKC-767でも行けたが戦術輸送機の展開スピードは初動に大きな力。

  2. C-2の短距離離着陸や不整地離着陸の性能ってどんなだろ?
    C-130が使われてたのは、そこら辺があったと思うのだけど。ヤバい地域だと飛行場なんか真っ先に狙われそう。滑走路が破壊されて使える長さ短かったりとか。