2列シートの豪華夜行バスが普及しないワケ やはり「安さ」一番? 引退する車両も(写真28枚)
パーテーション付きの豪華夜行バス登場 そして「完全個室型」も
夜行バスどうしの運賃競争、サービス競争が繰り広げられるなか、「周りを気にせずに眠りたい」というニーズに応えるべく、やがてシェル型シートやパーテーション(仕切り)付き夜行バスが登場します。
2008(平成20)年にデビューしたウィラー・エクスプレス「コクーン」は、座席を包み込むように固いシェルが設けられた2列シートを斜めに配置することで、足元の広さとシートのリクライニング角度(最大140度)を確保。コンセントやプライベートモニター、靴収納スペース、身だしなみチェック用ミラーなど充実した装備が特長で、女性客を中心に好評を得ていますが、車両の老朽化などの理由で2018年中に運行を終了する予定です。「コクーン」で培われたノウハウは、2017年にデビューした3列シェル型シート「リボーン」に受け継がれており、ウィラーは今後、「リボーン」を同社のフラッグシップとして販売を強化していくとしています。
2011(平成23)年に運行を開始した海部観光「マイフローラ」(東京~徳島間)は、パーテーション付き2列シート夜行バスのはしりといわれています。わずか12席の座席を、徳島県産木材でしつらえたパーテーションで1席ずつ仕切っており、カーテンを閉めればほぼ個室感覚で休むことができます。車両後方にはパウダールーム付きトイレが設けられ、着替えや化粧に利用できると女性客を中心に好評。各座席にはコンセントや小型テレビを装備するほか、アメニティも充実しており、豪華な車内設備とサービスの充実ぶりは、「平成の寝台車」といわれるほどです。
|
|
|
その後、パーテーション付き2列シート夜行バスは、初代「ドリームスリーパー」(中国バス、2012年)、「サウスウェーブ」プレミアムシート車(和歌山バス、2012年)、「はかた号」2代目プレミアムシート車(西日本鉄道、2014年)、「ドリームスリーパー東京大阪号」(関東バス/両備ホールディングス、2017年)、「ドリームルリエ」(ジェイアールバス関東/西日本ジェイアールバス、2017年)、「ドリームスリーパー東京広島号」(中国バス、2017年)と、各地で運行を開始します。
なかでも、「ドリームスリーパー東京大阪号」と「ドリームスリーパー東京広島号」は、座席の仕切りが天井部まで達した日本初の「完全個室型」夜行バスとして注目を集めたほか、「プレミアムドリーム」の進化版ともいえる「ドリームルリエ」は、人気アイドルグループのメンバーを起用して広告宣伝を行ったことが注目を集めました。
はかた号は最近、乗る機会ないからなんとも言えないけど、以前のやつはまさに豪華感満載だった。