飛来したSu-35はどの「Su-35」? ややこしいロシア機の名前、「27=35=37≠35」とは

2018年9月、ロシアの最新鋭戦闘機Su-35が日本近海にあらわれ広く報じられましたが、90年代にも「Su-35」というロシア機の名は聞こえていました。20年の歳月を経てようやく完成、というわけでは、もちろんありません。

紛らわしい上によく似てる、その見分けかたは?

 最初のSu-35(Su-27M)は既存のSu-27からのコンバートが5機、強度試験機2機、初期生産型6機、後期生産型3機、そして複座型1機の合計17機が製造されたものの、ソ連崩壊後の経済危機にあえぐ情勢にあってロシア空軍は新鋭機を実戦配備する余裕がなく、これを採用できませんでした。また輸出にも失敗し採用した国はありませんが、西側諸国の間ではSu-27のNATOコードネーム「フランカー」を超える戦闘機「スーパーフランカー」という非公式の愛称で呼ばれていました。

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Su-35(Su-27M)プロトタイプ初号機。機体構造はSu-27をそのまま踏襲しておりカナードが付加されるなどの改修が行われている(関 賢太郎撮影)。

 このふたつのスホーイSu-35(以降Su-35SとSu-27Mと呼称します)を見分けるための分かりやすい相違点が、カナード(先尾翼)の有無です。Su-27Mはカナード、主翼、水平尾翼の3つの翼面からなる「スリーサーフェス」と呼ばれる形態が採用されており、特に低い速度における機動性の向上や短距離離着陸性能を向上させています。

 スリーサーフェス形態はSu-27シリーズにおいて艦上戦闘機型Su-33、爆撃機型Su-34、一部の複座多用途型Su-30などいくつかの採用例がありますが、Su-35Sにはこれがありません。ではSu-35SはSu-27Mに比べて飛行性能に劣るのでしょうか。

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Su-35S用の推力偏向エンジンAL-41F-1S。エンジン作動前は動力が供給されておらず自重でノズルが下がる。(関 賢太郎撮影)。
Su-35(Su-27M)のAL-31Fエンジン。通常のSu-27とおなじ固定ノズル型(関 賢太郎撮影)。

 Su-35SがSu-27Mよりも低機動性かと言うと、実はそうでもないようです。まずカナードはそれ自体空気抵抗を増大させ、またレーダー反射源ともなりステルス性を悪化させるデメリットがあります。加えてSu-35Sでは新しいAL-41F-1Sと呼ばれる推力偏向ノズル付きエンジンを搭載したことから、カナードを持たずにカナードと同等以上の機動性向上をもたらしています。推力も約2割増しであるため、Su-35Sの機動性はSu-27Mよりもワンランク上であると見ても良いでしょう。

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