災害派遣の初動部隊「FAST-Force」はどう動く? 急げ現場へ! 北海道地震に見る事例(写真11枚)

遠出をするにも制限がつく場合が

 FAST-Forceに指定されている部隊の隊員たちは、自宅か基地(駐屯地)内で待機しています。それぞれの場所で待機している時に災害が発生し、その災害規模が基準に達していれば、24時間いつでも出動できるようにしているのです。そのため、遠出をすることができず、陸上自衛隊の場合は所属する部隊によって、外出時の行動範囲も定められています。

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地上偵察部隊は、道路状況を確認しながら被災地へと向かう。写真はイメージ(矢作真弓撮影)。

 陸上自衛隊のFAST-Forceとして、広島県、山口県、岡山県、島根県、鳥取県を担当する第13旅団を例に挙げると、初動対処部隊先遣部隊という真っ先に出動する部隊が18個あり、計540名の隊員たちが待機しています。

 この部隊は、偵察オートバイや軽装甲機動車、高機動車といった車両で編成されていて、発災後、速やかに地上からの情報収集に出動し、おもに「倒壊家屋の状況」「道路の通行状況」「火災や水害の発生の有無」「人命救助の有無」などの情報を収集します。

 特に「道路の通行状況」は重要な情報で、もし、道路が陥没していたり、倒壊家屋によって通行できなかったり、橋が崩壊していたりする場合などは、後続の救援部隊本隊の移動経路を変更しなければならないため、必要な場合は迂回路の確認にも向かいます。

 こうして先遣部隊から得られた情報は、速やかに連隊などの司令部に伝達され、その情報は旅団(師団)司令部などに集約されます。また、各自治体からの救援要請も集まってくるので、司令部などでは各情報を基に、それぞれの部隊の規模と派遣先を決定します。

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