災害派遣の初動部隊「FAST-Force」はどう動く? 急げ現場へ! 北海道地震に見る事例(写真11枚)

そもそも「FAST-Force」とは?

 多くの自然災害に襲われる日本では、各自治体などによって防災対策が進んできています。それは防衛省・自衛隊にも言えることで、自衛隊はこうした災害発生時に真っ先に対処する、「FAST-Force」と呼ばれる部隊を待機させています。

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被災地での救援活動もFAST-Forceの役割。写真はイメージ(矢作真弓撮影)。

 この「FAST-Force」とは「F=Fast(発災時の初動において)」「A=Action(迅速に被害情報収集、人命救助及び」「S=Support(自治体等への支援を)」「Force(実施する部隊)」として、2013(平成25)年9月から自衛隊内で呼称されているもので、従来は「初動対処部隊」と呼ばれていました。

 FAST-Forceの具体的な動きとしては、「震度5弱以上の地震が発生した場合は、速やかに情報収集することができる態勢」を保持し、「震度5強以上の場合は、航空機による情報収集することができる態勢」の保持が陸海空の共通項目となります。陸上自衛隊では、全国の部隊で約3900名、車両等約100両、航空機約40機が待機していて、発災から1時間以内に出動できるよう、指定部隊の隊員たちは24時間待機しています。

 海上自衛隊は、地方総監所在地ごとに1隻の対応艦艇を指定し、航空機は各基地で約20名の隊員が15分から2時間以内に出動できる態勢を保持しています。

 航空自衛隊は対領空侵犯措置のため、すべての戦闘機基地で発進命令後5分以内に2機の戦闘機が離陸できる体制「5分待機」を実施していて、ほか航空救難や緊急輸送のために約10機から20機の航空機が待機しています。震度5強以上の地震が発生した場合には、これらの航空機を「任務転用」し上空からの情報収集活動を行えるようにしていて、その離陸までの所要時間は15分から2時間と決められています。

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