軍用機、なぜわざわざ空中で給油? 日本周辺、2年で事故2件 それでも実施するワケ

軍用機の空中給油には、事故のリスクがあります。にもかかわらずなぜ、わざわざ空中で実施するのでしょうか。また空中給油の事故、地上への影響を過度に心配する必要はありません。

空中給油中の事故発生、2機が墜落

 2018年12月6日(木)の午前1時40分ごろ、高知県室戸岬沖の太平洋上において、アメリカ海兵隊の複座戦闘機F/A-18D「ホーネット」、同じくアメリカ海兵隊の空中給油機KC-130J「スーパーハーキュリーズ」の2機が墜落、両機の乗員7名が行方不明になる事故が発生しました。

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墜落したF/A-18D「ホーネット」の同型機。写真の機は機首部にカメラを搭載した偵察機型(画像:アメリカ海兵隊)。

 これを受けて米軍および自衛隊による捜索救難が行われ、同日正午ころまでにF/A-18Dの乗員2名を自衛隊機が救助、残念ながら1名は殉職しましたが、12月7日(金)現在もなお、KC-130Jの乗員5名の捜索が続いています。

 事故の原因は調査中であり、明らかにされていない要素もあるため断定することはできませんが、戦闘機と空中給油機の2機が墜落した原因は夜間空中給油訓練において、不意に接触したのではないかと見られます。

 日本周辺における、空中給油にかかわる重大事故としては、ちょうど2年前の2016年12月13日、沖縄沖東の海上においてアメリカ海兵隊のMV-22B「オスプレイ」がKC-130と接触し、MV-22Bが不時着大破するという事故があったばかりです。

 またF/A-18DとMV-22Bはどちらも、漏斗を逆さにした形状の「ドローグ」と呼ばれる給油機側の給油装置に対して、「プローブ」と呼ばれる受油装置を差し込むことで接続する、比較的難易度の高い空中給油方式を採用しています。よって、今回のF/A-18Dと2年前のMV-22Bの事故を結び付けて報じるメディアもあるようです。

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コメント

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1件のコメント

  1. 潜水艦も水中給油とかするのかな?