海にも出る陸自、攻撃ヘリに求めるものは? ベル社AH-1Z、次期ヘリ選定に自信アリ

さらに有利なもうひとつのポイントとは?

 ベル社が陸自の次期戦闘ヘリ選定において有利な点とする、AH-1Zのもうひとつの特徴は、高精度のTSS(ターゲットサイトシステム)「AN/AAQ-30A」です。AH-1Zの機首に装備されているこのTSSは、世界でも最高精度を誇る光学および赤外線センサーと、目標指示用のレーザー照射装置などを組み合わせたもので、これにより遠距離にいる目標を識別し、誘導兵器との組み合わせによって正確に攻撃できます。ベル社の担当者はこのTSSについて、島しょ防衛に際し戦場の狭さなどに起因して敵味方が入り混じった状況が発生した場合、非常に有意義と説明します。

「島しょ部での戦闘で、敵味方が入り混じる、あるいは民間人が事実上、人質に取られてしまうという状況が発生した場合に、この『TSS』があれば、敵の攻撃が届かない安全な遠距離から、敵味方を正確に識別することができ、誤射や副次的被害を防止できます」(ベル社の担当者)

 またTSSは、島しょ防衛と同等、あるいはそれ以上に、敵味方や民間人が複雑に入り混じると予想される対テロ作戦においても有効といえるでしょう。

Large 181208 viper 06

拡大画像

AH-1Z「ヴァイパー」の訓練用シミュレーター(画像:アメリカ海兵隊)。

 現在、喫緊の課題となっている島しょ防衛作戦から、「東京オリンピック・パラリンピック」などを控えて注目が集まる対テロ作戦にいたるまで、幅広い事態に対応できるAH-1Zは、陸上自衛隊の次期戦闘ヘリ選定において大きく注目される存在になるでしょう。

【了】

この記事の画像をもっと見る(7枚)

最新記事

コメント

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。

2件のコメント

  1. 陸自がアパッチ採用決定した際に、ある掲示板で今更と疑問を呈したらバッシングされた。
    結果的に少数で採用中止。
    以降、ヘルファイヤさえ搭載出来ないシングルエンジンのお爺ちゃんが主力状態。
    少しだけ時期をずらしてAH-1Zを選定するべきでしたね。
    いつから防衛省の選定が下手くそになったのか。
    +査定の無い役人体質の弊害はこの先も変わらないのか?
    現場の隊員の苦労が軽減する日は来るのかね?

  2. 購入の時も、1Z は候補に挙がったみたいですけど、結局、陸軍と陸自の関係が重視されて
    64D になったんですよね。
    1Z になった場合は、海兵隊からノウハウ吸収する事になるけど、その辺の繋がりは大丈夫
    なのかな?? (西普連が海兵隊化を目指してるけど)