日本初「エレベーター付きバス」登場 高速バスのバリアフリー対応、理想形はあるのか(写真13枚)
これからが正念場 高速バスのバリアフリー対応
東京空港交通では2018年12月現在、初期型および改良型のリフト付きバスをそれぞれ2台、エレベーター付きバスを1台、合計5台のバリアフリー対応車両を所有。さらに改良型リフト付きバスを4台、エレベーター付きバスを1台発注しており、2019年春にはバリアフリー対応車両が10台になるとのこと。それでも、2020年の「東京オリンピック・パラリンピック」に向けては、まだまだ足りないといいます。
「こうした車両を用意する以前から、トランクに車いすを預け、運転手の介助でステップを上がり、普通席にお乗りになるお客様もけっこういらっしゃいましたので、潜在ニーズは高いでしょう。高速バスの場合、バリアフリー対応は国からは『努力目標』とされていますが、空港アクセスバスは特に社会的要請も大きいと考えています」(東京空港交通)
しかし、従来のバスと比べ、リフト付きは8席ぶん、エレベーター付きの場合は10席ぶん、座席数を削らざるを得ないというデメリットもあります。
「それにより、お客様の乗車機会が減ってしまっては意味がありません。車両を増備することで『20分間隔が15分間隔になり、しかもバリアフリー対応になったよね』というのが目標です。また車いすのお客様は、どうしても乗降に時間を要してしまいますので、それをほかのお客様にご理解いただけるよう啓発していくのも重要でしょう」(東京空港交通)
バリアフリー対応については、「これからが運用面のハードルが高くなるところ」という東京空港交通。様々なアイデアを出し、課題をひとつひとつ解決していきたいといいます。
ちなみに国土交通省は、ノンステップタイプの車両を導入できない乗合バス車両(高速バスなど)の約25%を、リフト付きバスなどのバリアフリー対応車両にする目標を掲げていますが、2017年度末時点で達成率は5.9%に留まっています。
【了】
「健常者は二階、車イスは一階」的な書き方は、ちょっと差別感がある。できるだけ同じ様に扱うべきだが、リフト/エレベーターの5分はもちょっと縮まらないないか? あるいはノンステップ高速バス(トランクが課題だが)は造れないものか?