韓国艦のレーダー照射、本当に海自P-1哨戒機は「脅威」だったのか? 検証する

韓国艦艇が海自哨戒機へ火器管制レーダーを照射したとされる件について、韓国側は哨戒機の飛行を脅威に感じたとし日本側へ謝罪を要求しました。日本に非はあるのでしょうか。そもそも哨戒機は、どのように飛ぶものなのでしょうか。

哨戒機は普通、監視対象にどれくらい近づくものなの?

 以上の点を勘案すると、「騒音と振動を強く感じる」という韓国側の説明には疑問が生じます。とはいえ、「音を強く感じる」「威嚇だった」と見なせるかどうかは主観に依存しますし、P-1には魚雷などを外部から見えない兵装庫内部に搭載できることも確かですから、「韓国側にとって脅威であること」を完全に否定することもまたできません。

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スペイン海軍揚陸艦「ガリシア」の側方を飛行するドイツ海軍のP-3C哨戒機。スペインは抗議していない(画像:ソマリア派遣EU海軍)。

 実のところ、監視対象から「高度150m、距離500m」という数字は、特別に低高度でもなく危険なほど接近してるともいえない数字です。たとえば韓国海軍は、P-1哨戒機とほぼ同様の運用をしているP-3哨戒機を保有していますが、韓国メディア「月刊朝鮮」の記者が2013年7月10日にこのP-3へ搭乗取材した記事によると、「目視識別のために高度を100mまで下げた」「外国の艦艇監視のため高度60mで接近飛行する」とあり、韓国海軍の哨戒機部隊自身が外国の艦艇に対して、今回の事件におけるP-1よりもはるかに低い高度を飛んでいることが分かります。

 もし韓国国防部の主張どおり、相手からは豆粒大にしか見えない高度150m、距離500mにおける目視識別を、「威嚇」であり「謝罪に値する」行為だとするならば、今後、韓国海軍の哨戒機部隊は「威嚇」をともなわない洋上監視を実施するのでしょうから、全く仕事ができなくなることでしょう。もちろん実際にそうするとは考えづらく、ということはつまり、彼ら韓国海軍の哨戒機部隊は今後、韓国国防部が「謝罪に値する」と断ずるような任務に従事させられることになってしまいます。

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コメント

10件のコメント

  1. よく分かりました。ありがとうございます。

    • ほんとに。他の人の記事では韓国軍機の例が書いてなかったのに比べると、ほんとによく分かった。

  2. 根本的に公海ではなく、日本のEEZ内だったという事を、

    日本政府はもっと言うべき。

    通過は許されるがその他の行為は許されないはず。

  3. >10cm先にある7.3mmの物体と同じ大きさに見えます。

    印象操作と取られかねないんで普通に7.3cmで良かったのでは?

  4. 文中に「これは通常、水平方向の距離を表しますから、直線距離は522mと算出できます(底辺500m、高さ150mの直角三角形の斜辺)。」と書いてあるが、三角関数は絶体必要な知識なのか?

    • 三角関数要らんし。「(一辺の二乗+もう一辺の二乗)の平方根」で算出できる。算数(か中学校の数学か)で習ったはず。

      √(500^2+150^2)=522.015

    • なぜその計算で導出できるかこそ三角関数なのだが…

  5. 韓国の船と北朝鮮の船がそこで何をしていたか、その辺は有耶無耶のまま、話題がどんどんそれていく・・・

  6. 友好国の飛行機なり船舶が近づけば手を振るなり、挨拶するのが普通の行動ではないのかな?

    それを脅威や威嚇と感じるのは見られたくないことをしていたか、仮想敵国と考えているからでは

  7. 軍用機が船舶に接近する場合、飛び方そのものが船に対する国際信号の意味を持ちます。例えば、低空で船の直前を横切れば停戦命令になります。また側方を後ろから前に通過すれば、「航行を再開してよし」の意味になります。

     自衛隊の哨戒機乗員はこうしたルールを熟知しており、常識に従って慎重に接近したはずです。こちらがレーダー波を浴びせたりしない限り、「豆粒大」の距離の飛行を脅威と呼ぶのは、ちょっと無理があるでしょうね。

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