もはや骨董品のDC-3がいまだ仕事で飛んでいるワケ 航空史に名を刻む旅客機なぜ現役?

DC-3は第2次世界大戦以前に運用が開始された、歴史的存在ともいえる旅客機ですが、いまだ輸送業務などビジネスでも使用されています。同機を3機保有し業務に使用しているという企業に話を聞きました。

テキサスのDC-3、21世紀の空でお仕事

 アメリカ・テキサス州にあるエアボーン・イメージング社は、そうした会社のなかでもユニークな目的でDC-3を飛ばしています。この会社は3機のDC-3を保有していますが、その運航目的は旅客輸送ではなく、空中撮影と航空機搭載機器の飛行試験です。

「空中撮影」では、広い地域の地上を撮影しますが、それは風景写真ではなく調査を目的としたものです。DC-3の胴体下の開口部に、下方向きのカメラやセンサーを搭載し、文字通りスキャニングするように、地上の様子を情報として収集します。依頼主は政府機関が多く、アメリカ本土に上陸したハリケーンによる被災地の調査や、アメリカ陸軍の依頼で、メキシコ湾沿岸部のレーザーマッピングによる精密測定などを行っています。

 また2003(平成15)年には、空中分解を起こしたスペースシャトル「コロンビア」号の事故調査にも協力しました。「コロンビア」号の事故は大気圏再突入時に起きたため、機体の残骸は、アメリカの3つの州をまたいだ広い地域に落下。地上からの探索には限界があり、そこでエアボーン・イメージング社のDC-3による、広域地上撮影での調査が行われました。この時に収集した情報は事故調査に大いに役立ったようで、同社のオフィスには、後にNASAから送られた感謝状が掲示されていました。

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DC-3のプロペラを回すのは開発当時と同じレシプロエンジンで、地上ではオイルが漏れるため駐機場所の地面はいつも汚れている(布留川 司撮影)。
機内は座席と検査機器を積み込むためのラックがあり、飛行内容に応じて組み替えることが可能(布留川 司撮影)。
アメリカ海軍のC-47輸送機。写真は1966年、ベトナム戦争中のベトナム上空にて撮影されたもの(画像:アメリカ海軍)。

 もうひとつの「飛行試験」では、航空機に搭載する赤外線探知装置などの、センサーの試験を行っています。実例としては、ドローン(無人航空機)搭載用のセンサーをDC-3の機首部分に装着し、実際にそれが飛行中に機能するかの確認と性能調査を行ったそうです。DC-3は機体が大きいため、検査機器やそのオペレーターも同時に乗って操作でき、試験は実機のドローンに搭載するよりも効率的に行えます。

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コメント

1件のコメント

  1. 機体の大きさと性能が手ごろであること、過去に製造された機数が多く、維持整備の際の部材が多数安価に出回っており、古い機体だからといって維持に困るようなことがないどころか、他の機種を選定するより安価だと聞いたことがあります。さらに、レシプロエンジンだから、機種限定不要で事業用操縦士多発限定だけで操縦できますしね。

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