陸上戦が戦車だけでは勝てないワケ 歴史が証明、単独ではとても無理! 実際どう戦う?
リアルな戦車部隊を動かすには
前述のような弱点が露呈している戦車ですが、それでは現実の戦車部隊は、どのように運用されているのでしょうか。
北海道には日本唯一の「機甲師団」、第7師団が置かれています。「機甲」とは「機械化装甲」の略語で、第7師団は3個戦車連隊を基幹とし、普通科部隊(歩兵)や特科部隊(砲兵)もすべて装甲化(装甲車や自走砲などを装備)されています。また、「第7師団」は明治時代から北の守りを担ってきた、歴史ある部隊名称です。
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その第7師団は例年、厳寒の冬季に、総合的な火力攻撃力を高めるため実弾を使った統合戦闘射撃訓練を実施しています。2019年も1月11日から19日にかけ、北海道大演習場(北海道札幌市、北広島市、恵庭市、千歳市)にて行われました。
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第7師団の主力は戦車部隊ですが、装甲車に乗った普通科部隊、自走砲部隊、施設部隊、対空部隊、戦車回収車、衛生科部隊などが参加し、様々な車両が演習場を走り回ります。車両にはレーザー交戦訓練装置(通称バトラー:銃器に取り付けたレーザー光線発射装置により、実弾を使用することなく実戦同様の交戦訓練が可能な訓練機材)も取り付けられ、味方にも損害(想定)が出ます。射撃場では敵に見立てた標的が突然無作為に表れ、実弾で命中弾を与えなければなりません。緊張を強いられる実戦的な訓練です。
取材時には、次のような訓練の様子が見られました。
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夜間、普通科部隊が密かに、敵の様子を探る斥候(少数の偵察人員)を出します。雪原で小回りの利くスノーモービルも使われます。夜明け前には、戦車と装甲車に乗った普通科部隊が、敵前まで移動して待機します。そして攻撃開始。特科部隊が援護射撃を開始するなか、戦車と普通科も敵を射撃しながら前進しますが、前方に地雷原を見つけて動けなくなってしまいます。
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