陸上戦が戦車だけでは勝てないワケ 歴史が証明、単独ではとても無理! 実際どう戦う?

実に大がかり、戦車が「最強」であるために

 進行方向に地雷原が見つかると、施設部隊(工兵)の出番です。地雷除去の準備をしますが、敵の攻撃で作業ができません。これを援護するため、敵がいると思われる地域を砲撃するよう、特科部隊に命令が出されます。とはいえ、当然敵も移動しているので、引き続き偵察監視も必要です。

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施設科の装甲車列。障害物や地雷の除去などを担当(月刊PANZER編集部撮影)。
89式装甲戦闘車に続き施設科の73式装甲車(月刊PANZER編集部撮影)。
99式155㎜自走りゅう弾砲。遠距離から戦車などを援護(月刊PANZER編集部撮影)。

 戦車に損害が出ると、戦車回収車や救護班の装甲車が出動、普通科は装甲車から降りて散開しながら徒歩前進します。一方で敵機接近の連絡が入り、対空部隊の投入が命令されます。

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78式戦車回収車(前)と90式戦車回収車。戦車の種類により回収車も別々(月刊PANZER編集部撮影)。
様々な通信を担う通信部隊(月刊PANZER編集部撮影)。
87式自走高射機関砲。空の敵は対処する専門部隊がいないと、戦車などは逃げ回るのみ(月刊PANZER編集部撮影)。

 こうした様々な状況が一度に展開され、射撃場には間断なく発砲音が響き渡り、戦車、装甲車が走り回ります。とにかく忙しいのです。敵も味方も動き回ってどんどん状況が変わります。

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訓練センター内の統裁室(月刊PANZER編集部撮影)。
レーザー光線訓練装置のイメージ(月刊PANZER編集部撮影)。
訓練センターの状況把握イメージ(月刊PANZER編集部撮影)。

 訓練の様子を監視し、交戦情報を集める訓練センターのシステムも大がかりです。演習場の様子はいくつものテレビカメラからモニター画面に映し出されます。有線電話、無線電話、パソコン、サーバーが何台も並び、多くのスタッフが張り付いています。ゲームイベントのようにも見えますが、モニター画面のなかで動いているのはバーチャルではなく本物の戦車、装甲車であり、隊員たちです。戦車は故障もしますし、生身の隊員は疲労します。

 本当にリアルを追及した戦車戦ゲームを作ろうとしたら、こんな訓練センター風のシステムが必要になってくるかもしれません。プレイしてみたいと思いますが、ゲームとして面白いかはまた別問題です。

【了】

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