北朝鮮の瀬取りのみならず 日本周辺に各国軍集結のワケ イギリス、フランス…

北朝鮮の瀬取り監視には数か国が艦艇や哨戒機を派遣していますが、どういった国々が顔を揃えているのでしょうか。各国の思惑としては、やはり中国へのけん制も見据えていると考えられます。

その先にあるのはやはり中国?

 たとえば、2016年10月に海上自衛隊、アメリカ海軍、イギリス海軍のトップが初めて一堂に会し、「日米英海軍種参謀長級会談」が開かれ、3か国間での連携をさらに強化することが合意されました。前述した日米英共同演習は、まさにこの合意に基づいて実施されたものといえます。

 また、フランスは2019年1月に実施された日本の外務、防衛大臣との会談(2+2)において、フランス軍と自衛隊がインド太平洋地域で共同訓練を実践的かつ定期的に進めていくことで合意し、早速2019年にはフランスの原子力空母「シャルル・ド・ゴール」と海上自衛隊の艦艇による共同演習が決定ています。

 さらに、オーストラリアは2018年11月に開かれた日豪首脳会談で、日本との関係を「特別な戦略的パートナーシップ」と位置付け、引き続き安全保障面での連携強化を確認しました。

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米太平洋陸軍の副司令官交代式にて、写真左から米陸軍ブラウン司令官、離任する豪陸軍ノーブル前副司令官、豪陸軍マクダニエル新副司令官(画像:アメリカ陸軍)。

 加えてオーストラリアは、アメリカとの連携強化も進めています。その最もわかりやすい具体例は、西太平洋からインド洋までの幅広い地域を担当するアメリカ太平洋陸軍の副司令官に、2013(平成25)年以来、オーストラリア陸軍の将校が就いていることです。アメリカ人以外の軍人がこの地位に就くのはそれ以前になく、両国の緊密な協力関係を象徴しているといえます。

 こうした日米プラスアルファの連携は、前述したように北朝鮮への圧力強化という背景もありますが、それ以外にも南シナ海や東シナ海で海洋進出を強める中国をけん制するという目的があると考えられます。インド太平洋地域は世界各国の経済にとって重要な海上輸送路であるほか、その巨大な人口は世界経済にとっての有望な市場です。つまり、この地域での自由な移動が制限されたり、あるいは紛争が発生したりすれば、世界経済への影響は計り知れません。そのため、各国は連携してインド太平洋地域での安全保障協力を強化し、前述した瀬取り監視を目的のひとつとして、プレゼンスを示すようになってきているのです。

 このように日米を中心として各国間の連携が行われている現実は、世界的に見てもこの地域の安全保障面における日本の重要性が、これまでにも増して高まっていることを如実に表しているといえるでしょう。

【了】

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