目指すは通常の3倍! 水中の速さ追求した旧海軍の高速潜水艦、開発経緯とコトの顛末

第2次世界大戦も中盤になると、アメリカの対潜水艦戦闘は技量が向上し、日本側の被害が増えてきます。そこで日本海軍が目を付けたのは水中速度の向上。狙われても逃げ切れればよいのです。どこまで、どのように実現できたのでしょうか。

現代につながる技術の継承

 潜高型の1番艦、伊二百一は1944(昭和19)年3月1日に起工され、7月22日に進水、1945(昭和20)年2月2日に竣工するという短工期で建造されました。1942(昭和17)年の海大型潜水艦が、起工から竣工まで約1.5年を要していましたので、1年未満での竣工は画期的です。工期を短くできたのは、船体をいくつかのブロックに分けて同時に製造し、最後に全溶接でつなぎ合わせる「ブロック建造方式」を、潜水艦で初めて採用したからでした。

 こうして期待の高速潜水艦、潜高型は1945(昭和20)年6月までに、伊二百一、伊二百二、伊二百三の3隻が完成し、早速、訓練が開始されました。ところが、水中での20ノット近い速度は不安定で、操艦は難しかったようです。また積み重ねて配置された2000個以上もある電池は、温度差が生じ性能は不安定、メンテナンスに莫大な手間が掛かる、80回しか再充電できない(一般的な一号十四型蓄電池なら400回)と問題山積で、さらにショートしやすい危険な代物であり、伊二百二はバッテリー火災事故も起こしています。エンジンは馬力不足で、充電能力も不十分、そして実際の水中速度は17ノット程度だったといわれます。結局、期待の高速潜水艦も訓練と故障修理、不具合個所の対策改造を繰り返しているあいだに終戦となりました。

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海上自衛隊のおやしお型潜水艦7番艦「くろしお」(画像:海上自衛隊)。

 終戦後、アメリカ海軍は日本の潜水艦技術に高い関心を示し、この高速潜水艦伊二百一と伊二百二をハワイに運んで調査しましたが、その高速性能と非常に危険な構造に驚きます。しかし、船体構造など水中速力向上のための技術は、戦後初の国産潜水艦「おやしお」につながったといわれ、この技術の継承が現在、日本で世界トップレベルの通常動力型潜水艦を生み出す源になっています。

【了】

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コメント

1件のコメント

  1. 理想だけで技術が追い付かず欠陥だらけの潜高型を美化しすぎでしょ。

    理想だけなら誰でも出来ますからね。

    理想を現実化し、戦後の攻撃型潜水艦の嚆矢はドイツUボートXXI型だと思いますよ。

    潜高型なんか鼻で笑っちゃうくらいの性能です。

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