見納め間近? 昭和から平成を駆けた最後の国鉄特急形電車「185系」その団体列車に乗る

「斜めストライプ」が消える日は遠くない?

 国鉄分割民営化から30年以上が過ぎ、国鉄時代に製造された特急形電車も多くが引退しました。しかし、185系はいまも現役です。

 毎日運転の定期列車では、引き続き特急「踊り子」として運行されていますし、平日に運転されている座席定員制の通勤列車「湘南ライナー」「ホームライナー小田原」「おはようライナー新宿」でも使用。「青春18きっぷ」で利用できる列車として有名な東海道本線の臨時夜行快速「ムーンライトながら」や、「静岡DCオープニング号」のような観光ツアー列車で使われることもあります。

Large 190401 jnr185kei 03
上野駅で発車を待つ185系の「新幹線リレー号」(左)と東北本線の特急「ひばり」(1982年、草町義和撮影)。

 しかし、製造からすでに38年近くが経過しており、2014(平成26)年以降は徐々に数を減らしています。最盛期に227両あった185系は、2018年4月1日時点で約3割減の157両です。ちなみに、車体の塗装はリニューアルで何度か変更されましたが、いまはすべての車両がデビュー時と同じ「斜めストライプ」に戻されています。

 JR東日本は、2019年4月1日時点で185系を今後どうするか発表していません。ただ、中央本線の特急「あずさ」「かいじ」で使われていたE257系電車に置き換える形で引退する可能性が高いといえます。

 というのも、特急「あずさ」「かいじ」は2019年3月のダイヤ改正で、新型のE353系電車に統一。それまで「あずさ」「かいじ」で使われてきたE257系電車が余っています。また、製造時期は185系より約20年遅く(2001~2005年)、それほど古くはありません。JR東日本の長野支社も2018年5月、E257系について「リニューアルを行い、東海道線に導入する予定」と発表しています。

 そう遠くない時期、東海道本線を流れる「斜めストライプ」の姿が消えることになるかもしれません。「ムーンライトながら」の行く末も気になるところです。

【了】

【写真】懐かしさ満載! 185系の車内外

Writer: 草町義和(鉄道ニュースサイト記者)

鉄道誌の編集やウェブサイト制作業を経て鉄道ライターに。2020年から鉄道ニュースサイト『鉄道プレスネット』所属記者。おもな研究分野は廃線や未成線、鉄道新線の建設や路線計画。鉄道誌『鉄道ジャーナル』(成美堂出版)などに寄稿。おもな著書に『鉄道計画は変わる。』(交通新聞社)など。

最新記事

コメント

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。

4件のコメント

  1. これ本当に走行音は113系まんまでしたよね、朝方に国道1号から馬入を渡る185系とすれ違うのが朝の儀式だったり観ても乗っても画になる列車でした。
    なにせ普通列車で充当された時にゃ飲みたくもないコーヒー買い込んで旅情緒を楽しんだりでw
    当時は空いてる日中の充当でしたが、下り大垣行きが最終便だった頃に廻された165系だったか?2ドア車は近郊区間で乗降に難儀して遅延が蔓延してましたね。

  2. 子供の頃から毎日見ていたストライプの車両もついにというか、ようやく引退させてもらえるのでしょうかね。
    185系は踊り子というよりも湘南ライナーという感じですね。良く使っています。
    全力で走っているときは会話が出来ないくらいうるさい(モーター音にハァハァするのは鉄だけ)し、
    社員旅行で使ったときはポイント通過でとんでもない揺れをして缶ビールが何本もひっくり返って大惨事になったこともあるし。
    正直思い入れなどありませんが、早々にこのボロ車が置き換えられて快適な車両になってもらえるとうれしいです。
    E257系が快適かどうかは微妙なところですが。

  3. まだ古い381をお忘れでは?

  4. 185系200番台は子供の頃からお世話になった思い出深い車両です。
    夏は沼田までこれに乗り、大清水行きの東武バスRE120に乗り換え。
    冬に草津に行くときには古さ故よく効いた暖房でくつろぐ。旅行が好きになった原点ともなった車両でした。
    引退はかなり寂しさを感じますがこれも時の流れ。秩父鉄道や大井川鐡道富山地鉄などで第二の活躍が見られることを期待したいと思います。