東急やJR東日本が伊豆で「交通サービス一体化」実験のワケ 観光客が増えても残る課題

伊豆エリアの交通サービスを手軽に利用できるようにするための実証実験が始まりました。様々な交通サービスをスマホの専用アプリで一体的に提供するもの。その背景には、観光客の増加と、公共交通が抱えている課題がありました。

きっぷの購入から乗合タクシーの予約まで

 東急電鉄やJR東日本などが、交通サービスを一体的に提供する「MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス=マース)」の実証実験を、2019年4月1日(月)から静岡県内の伊豆エリアで開始。様々な交通サービスがスマートフォンの専用アプリで利用できるようになりました。

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MaaSの実証実験が行われている伊豆急行線(2019年4月5日、草町義和撮影)。

 記者(草町義和:鉄道ライター)は4月5日(金)、伊豆急行線の終点、伊豆急下田駅がある下田市内などで実証実験に参加しました。専用アプリ「Izuko(イズコ)」をスマホにインストールし、決済用のクレジットカード情報などを入力。目的地までの移動方法を検索すると、路線バスのルートや時刻が画面に表示されます。その脇にあるボタンをタップすると、専用アプリ限定のフリーきっぷ(デジタルフリーパス)を購入できました。

 デジタルフリーパスは「Izukoイーストパス」(3700円)と「Izukoワイドパス」(4300円)の2種類。「イースト」は伊豆東部、「ワイド」は伊豆全域の公共交通が2日間乗り放題です。デジタルフリーパスの画面を鉄道の駅員やバスの運転手に見せることで利用できます。

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アプリで購入したきっぷの画面を提示すると鉄道やバスが利用できる。
乗合タクシーの予約も専用アプリで可能。
乗合タクシーは下田市内にある16か所の乗降ポイントで乗り降りできる。

 下田市内のペリー艦隊来航記念碑から伊豆急下田駅までの移動は、「AIオンデマンド乗合交通」という乗合タクシーを使ってみました。アプリに現在地と目的地、自分の名前などを入力。すると、市内16か所にある乗降ポイントのうち、現在地から最も近いポイントが地図上に示されたほか、そのポイントに乗合タクシーがやってくるまでの予想時間も表示されました。

【写真】専用アプリで使える鉄道やバス

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1件のコメント

  1. MaaSを使って運行システムを高度化しても最後に車を運転するのはやっぱり人。
    その「人」がダメだとシステムだけ高度化しても意味がない。
    横浜でAIバスの実証実験に参加したのだが運転士がいかにもタクシードライバーという横柄さで嫌になった。
    乗る時は「QRコード出して!」と高圧的に言われるわ、運転中は急加速や急減速で乗り心地悪い、降りる時ありがとうございましたと言っても無視。
    乗せてやってる感丸出しで気分が悪かった。
    (降りたところで係員が待っていて実証実験アンケートに答えたのだがその人のフレンドリーさとは雲泥の差)

    こういうのは観光地自体のイメージに傷が付くので気をつけてもらいたい。