速い速い駆逐艦「島風」! 旧海軍がスピードを追及した理由と、一点モノで終了のワケ

小型艇などはともあれ、3000トンクラスの艦船で40ノット(約74km/h)を出すとなると、21世紀のいまでも相当速いといえるでしょう。旧日本海軍が駆逐艦「島風(2代目)」で目指したものは、そうしたハイレベルの速さでした。

速い! 安い(燃費)! 言うことナシ!

 やがて、仮想敵であるアメリカのノースカロライナ級戦艦は、最高速力が27ノットであると判明し、駆逐艦の速力優位性を失いつつある日本海軍は危機感を強めます。そこで1939(昭和14)年に、公試排水量3000トンクラスながら速力40ノット強という、高速駆逐艦「島風」が計画されます。「島風」という艦名は、40.7ノットを記録した峯風型「島風」にちなんだものです。

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峯風型「島風(初代)」。1940年に哨戒艇へ改造され「第一号哨戒艇」と改名した(画像:アメリカ海軍)。

「島風」には、高速を発揮して敵戦艦に見つかりにくいように迂回接近し、遠距離から秘密兵器「九三式魚雷」(いわゆる「酸素魚雷」)を一斉に発射する奇襲戦法が期待されました。そのため機関は従来よりも高温、高圧のボイラーとし、タービンも羽数が増やされて、それまでよりも約1.5倍の7万5000馬力を発揮。全力公試では40.37ノット(74.8km/h)を記録します。さらに、燃料などを軽くした過負荷全力公試では、先代の記録を上回る40.9ノット(75.7km/h)をたたき出しました。過負荷全力公試のため非公式にはなりますが、日本駆逐艦史上最速です。

 また高性能ボイラーで燃費も良くなり、吹雪型の航続距離が14ノットで5000海里(9260km)だったのに対し、「島風」は18ノットで6000海里(1万1110km)と、「速くて低燃費」の良いことずくめでした。

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