市自ら選んだ「攻めの鉄道廃止」 JR石勝線夕張支線、代替バスはどう「進化」したのか
今後どうなる? JR北海道の維持困難線区
JR北海道では、「輸送密度200人未満の線区」を「地域の皆様と合意形成を得ながら、鉄道よりも便利で効率的な交通手段への転換を進める」としており、その線区は石勝線夕張支線を含め5つあります。
このうち、石勝線夕張支線(廃止済)のほかに廃止が決まったのは、札沼線の北海道医療大学~新十津川間。2020年5月7日廃止予定で、その後は北海道医療大学~石狩月形間、石狩月形~浦臼間、浦臼~新十津川間で代替バスが運行されるほか、浦臼~美唄(びばい)間では、美唄駅に停車する函館本線の特急利用者向け乗合タクシーの運行も検討されています。運行本数も増え、北海道医療大学駅には列車との乗り換えを想定しバスターミナルが新設される予定です。
JRと自治体などのあいだで話し合いが進められている線区は、日高本線の鵡川~様似間。バス転換をベースに話し合われており、鵡川~静内間、静内~様似間ともに現在(鉄道)よりも本数を増やすことが検討されているほか、(鉄道がない)えりも町までの直通運転(一部の便のみ)も検討されています。
そのほか、留萌本線 深川~留萌間と根室本線 富良野~新得間については、今後JRと自治体などのあいだで話し合いが本格的に行われることになります。
石勝線夕張支線の廃止は、JR北海道が提示した維持困難線区で自治体が合意した初の事例として、各方面から注目されていますが、代替となった夕鉄バス「夕張市内線」の真価が問われるのは、南清水沢地区の拠点複合施設が完成してからではないかと考えます。夕張のケースが、持続可能な交通体系の事例として他地域に展開されるのかどうかも含め、今後の動向をしっかり見ていく必要があるでしょう。
【了】
Writer: 須田浩司
自称「高速バスアドバイザー」。運行管理者資格所有。高速バス乗車1100回以上。 紙原稿・ネット原稿・同人誌・ブログなどを通じてバス・鉄道を中心とした 「乗りもの旅」の素晴らしさを伝える活動を行う。北海道在住。
輸送貨物量を路線図に重ね合わせた図も示さないと片手落ちの感は否めない。
北海道東部各地から本州方面への農産物輸送を考慮しないまま、旅客だけの視点で廃止の議論をするのは間違っている。
『現在』の『旅客輸送』だけで見れば、夕張鉄道線の早期廃止はかなり惜しかったのかも?
人の動きしか見れないのは何故だろう?
物は?
旅客が廃止でも貨物線で残さざるをえない路線の代表が函館本線と江差線と海峡線。
函館本線は室蘭本線不通時のバイパス、石北本線と根室本線も道東の貨物輸送に欠かせない筈。
宗谷本線も、樺太に近い稚内にはそれなりの潜在需要有る気もする。
宗谷本線と嘗ての天北線を復活させ、宗谷海峡を海底トンネルで樺太に繋ぎ、樺太の路線を経由してシベリア鉄道に接続する構想も有るぐらいだし。
もしも実現すれば日本とユーラシア大陸の殆どの国同士が鉄道で結ばれる。
ロシア側が積極的にやりたがっているが日本側が消極的だ。