ANAの超大型機A380就航で競争激化のハワイ路線 座席数「大幅増」のメリットは

結局「JALよりやや安い」くらい?

 ただ、運賃面では現時点で際立った施策が打たれているようには見えず、全般的に「JALをやや下回るレベル」での運賃設定になっているようです。

 強いていえば「ノーマルエコノミー(変更可能型)が10万円とかなり安い」「プレミアムエコノミーとビジネスが22万円程度で同運賃」というのが目につく程度で、まずは安売りをしてでも席を埋めようといった販売姿勢はうかがえません。これまで巷間いわれているように、「多少席が余っても、ANA全体でマイレージによる特典航空券の席が取れないとの苦情が多い現状を、少しでもこのホノルル線の座席で解消できれば、下手に安売りするよりいい」と考えているのかもしれません。

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A380のシート配列。2階建てで全520席(画像:ANA)。

 ANAはすでに2019年1月より、A380が就航する5月24日から7月11日(夏休み多客期開始)まではA380便に限って「エコノミー、プレミアムエコノミーに空席があればマイレージ特典航空券で搭乗可能」というキャンペーン(さらに抽選で100人にひとりマイル全額返還)を展開しており、当初からエコノミー席を埋めることには懸念を感じていることがわかります。

 マイレージ特典航空券については、「便が取れない」という旅客の苦情で企業イメージが悪化するリスクがあるというだけでなく、顧客に消化されていないマイルは負債として会計処理をしなくてはなりません。これまでは各社によって処理方法が違っていましたが、今後は国際財務報告基準に従って厳格な会計基準が適用されるようになります。「マイルの消化」は空席になりそうな座席を提供することが、航空会社にとって最も効率的(物品などへの交換だと仕入原価が流出してしまう)であるため、このようなキャンペーンが行われていると考えるのが自然でしょう。

【写真】ANAのA380シート全種類

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コメント

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2件のコメント

  1.  日系の航空会社のファーストクラスは仕切が低過ぎてフライトアテンダントなどから丸見えなのはどうなんだろうと思う。エミレーツ航空だったかな?仕切が高くて覗き込むようにしないと見えないとか、エールフランスだったと記憶しているけど天井から伸びるカーテンで完全にセミ個室化出来るようにしてプライベート空間をしっかりと確保出来るようにしないと選択肢から外される可能性が高いと思う。

  2. A380の生産が短命に終わろうとしているのに
    このタイミングで導入なんですね