発見された旧軍の重巡「古鷹」 設計と建造で混乱、条約にも翻弄されたその紆余曲折

旧海軍の重巡洋艦「古鷹」は、その傾斜した船体に見られるように、設計からして特徴的な艦といえるでしょう。特徴的すぎたゆえ、建造の現場では混乱をきたしたほどといいます。軍縮条約にも翻弄された、その紆余曲折をたどります。

武装にも見える試行錯誤のあと

 武装は「ワシントン海軍軍縮条約(後述)」で認められた20cm砲を装備しますが、艦体が軽量構造のため連装砲塔ではなく、単装砲塔6基を艦橋前後の中心線上に並べる形になりました。砲弾を弾庫から運搬するには揚弾機が使われますが、これも軽量化のため動力式ではなく手動式となり、砲塔内の即応弾3発を撃ってしまうと弾薬供給は乗組員の人力頼りとなり、給弾に時間が掛かって発射速度が低下するという問題がありました。

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1926年、瀬戸内海で撮影された「古鷹」。後部煙突の排煙内に見えているのは、後方に居る戦艦「金剛」または「比叡」から上げられた観測気球。

 魚雷は設計当初、平賀大佐は搭載しないつもりでした。というのも、当時の八年式61cm魚雷は強度不足で、上甲板から発射すると着水時の衝撃で破損してしまうからです。ところが軍令部(旧日本海軍の作戦指揮にあたった中央統帥機関)は魚雷を、巡洋艦が戦艦に対抗するには不可欠な兵器と見ていたため、搭載を強く要求しました。海面からの高さが低くなる艦内中甲板に固定式の連装魚雷発射管を片舷6基(計12基)搭載するという形になりましたが、この方式は艦内の閉鎖空間に事故や被弾時に誘爆する危険のある魚雷を収めるというリスクのあるものでした。

 水上機も、搭載や離発着の方法が発展途上で、運用には手間が掛かりました。竣工時、飛行機を射出するカタパルトは開発中で、発進には「ハインケル式滑走台」という、滑り台のような装置からから滑り落とす方法が採られています。また飛行機を留置した滑走台は4番砲塔の上を覆うように配置されており、砲撃の衝撃で飛行機が破損してしまうこともありました。

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