空母化の海自「いずも」、東南アジアはどう見ている? シンガポールで一般公開の意義

「いずも」は何しにシンガポールへ?

「いずも」の「IMDEX ASIA」への参加は、4月30日(火)から7月10日(水)までの予定で行なわれる「平成31年度インド太平洋派遣訓練」の一環として行なわれました。

Large 190522 izumo 02

拡大画像

オーストラリア海軍の強襲揚陸艦「キャンベラ」。F-35Bの運用能力を備えている(竹内 修撮影)。

 この訓練で「いずも」は護衛艦「むらさめ」と共に、シンガポールのほかブルネイ、マレーシア、フィリピン、ベトナムの5か国を訪問。5月19日(木)から22日(日)まではインド洋でアメリカ、オーストラリアの両海軍と、長期訓練のためインド太平洋に展開中の、フランス海軍の原子力空母「シャルル・ド・ゴール」を基幹とする部隊と共に共同訓練「ラ・ベルーズ」を行なっています。

 この4か国との共同訓練は、海洋の自由の原則を脅かしている中国に対するけん制が目的だと見られていますが、「いずも」は2017年6月にも、やはり中国をけん制すると見られる目的で、シンガポール近海を航行しています。

Large 190522 izumo 03 Large 190522 izumo 04 Large 190522 izumo 05

拡大画像

拡大画像

拡大画像

「いずも」と共に「IMDEX ASIA」に参加した中国海軍の054A型ミサイル・フリゲート「湘潭」(竹内 修撮影)。
「いずも」と共に「平成31年度インド太平洋派遣訓練」へ参加中の護衛艦「むらさめ」(竹内 修撮影)。
日米仏豪共同訓練「ラ・ベルーズ」に参加したアメリカ海軍のアーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦「ウィリアム・P・ローレンス」(竹内 修撮影)。

 中国は南シナ海にある南沙諸島の領有権を主張していますが、マレーシア、ベトナム、フィリピン、ブルネイも同様の主張をしており、南沙諸島の岩礁を埋め立てて軍事基地を建設している中国に対して神経を尖らせています。これらの国々は加盟するASEAN(東南アジア諸国連合)として、中国の“力による現状の変更”に対し非難声明を発表したいと考えていますが、中国との関係を重視するカンボジアやラオスといった国々は消極的な姿勢を示しており、全加盟国が共同歩調を取ることが原則の、ASEANとしての非難声明を出すことは難しいようです。

 そこで日本政府と海上自衛隊は「いずも」に、カンボジアやラオスを含むASEAN10か国の若手海軍士官を招待して、シンガポール近海を航行しながら艦内で情勢の認識や、国際法遵守の重要性に関する勉強会を開催。ASEAN諸国、さらには日本と認識を共通化することで、中国の力による現状の変更に対抗していこうとする意思を示したというわけです。

この記事の画像をもっと見る(7枚)

最新記事

コメント

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。

1件のコメント

  1. 横須賀で一般に公開された時に観たけどね、空母じゃなかったんだね。
    カレーライスかライスカレーも分からん素人なもんでねw
    鰤とかハマチとか?一線超すと強くなる将棋の歩とでも申しましょうか?
    でも歩の無い将棋って負け将棋なんですよね?w